後日譚①「年の差2人のクリスマス」

「メリークリスマスですよ、明季さん!」

 私が仕事から帰ると、ハルがクラッカーを鳴らしながら私を出迎える。

「ごめんね、クリスマスも仕事が忙しくて」

 時計を見ると、既に10時を回っている。夕食も、各々でとることにしていたが、少し寂しいクリスマスにしてしまったのが申し訳ない。

「いえいえ、大丈夫ですよ。仕事は仕方ないですからね」

 貼り付けたような笑みであっさりと私を許すハルに、私は首を傾げる。もっと怒ると思っていたのだが、どういう事だろう。

「えっと、プレゼントあげようか」

 大したものは買えていないが、ひとまずプレゼント袋を渡す。期待させすぎていたら、あまり喜んではもらえないかもしれないが、どうだろう。

「もう、明季さんは鈍いですね。私が物に期待してるわけないじゃないですか」

 ハルはそう言うと、私に抱き着いてくる。うっとりとした目で見つめられ、つい目をそらすと、ハルは私の服に手をかけた。

「ちょっハル!?」

 そのまま私の手を引き寝室に行くハルは、私の戸惑いをよそに、好き放題に私を弄ぶ。

「明季さんをくださいよ。クリスマスですし」

 いいでしょう。と、甘えるように擦り寄られると、私は拒む術を失ってしまう。

「ほんと、明季さんってチョロくて好きです」

 やっぱり、ハルにはかなわないなと思った。

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