第10話「改めて」

 休日、改めて私達は話し合う時間を作った。生きていく上で私達の関係はとても理解し難いものである。互いにその辛さに負けながら付き合うくらいなら、付き合わない方がいいという事も、考えなくてはならなかった。

「という事なんだけど、ハルはどう思う?」

 私の考えを短くまとめ、ハルの意見、考えを求める。ハルにあの時の勢いだけで付き合いを認めさせてしまったら、歳上の立場として全く面目が立たないというものだ。

「私は、ずっと前から覚悟の上ですよ。と言っても、明季さんは3年前を覚えていないんでしたよね。とにかく、大丈夫です」

 私の記憶から消えたらしい3年前、ハルは私に告白をしていたらしい。それからもここで暮らすまでにずっと悩んでいたそうで、なるほど、心配はなかったのかと安心する。

 どちらかと言うと、問題は私だな。

「よーし、私も覚悟を決めなきゃね!」

 元気よくそう宣言して、ハルに向き直る。ハルは私との付き合いをずっと悩みながらも求めてくれたんだ。私も、相応の態度で臨まなくては。

「ハル、私との付き合いを本当に認めますか」

 私は最後にそう問いかける。これが、最後の確認だ。咎められるような愛を、閉じ込めるか、解き放つのか。その選択を、ハルにさせる。

「もちろん、よろしくお願いします」

 ハルの間も置かずに答える姿に、私自身嬉しくなってしまう。

 そうして、私達は互いに合意のもと、付き合うことになった。

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