後日譚①「幼馴染のクリスマス」
「「メリークリスマス!」」
2人で声を合わせてコップを付き合わせる。今夜は雪花の家でクリスマスパーティーだ。ケーキは雪花の手作りのようで、手作り感がありながらも上手に作られていた。
「クリスマス感はちょっと微妙だけどね。味は保証するよ」
そう言いながら雪花は自作のパウンドケーキを切り分け、皿に盛り付ける。ホイップクリームまでついてきたのは、驚いた。
「お菓子作り上手いね。今度一緒に作ろうよ」
例えば、バレンタインのチョコ。互いに送り合うのもいいかもしれない。私は料理が下手だから、作ったことは無いけど。サプライズがない代わりに互いの手作りを交換出来る。それは、とても素敵なことじゃないか。
「うん、うんうん。いっぱい教えてあげる!」
雪花は嬉しそうに、私の提案に乗ってくれた。それから、雪花は思い出したように鞄を探り始めた。
「はい、クリスマスプレゼント」
私に手渡されたのは、私があげたネックレスと、同じデザインのチョーカーだった。
「ずっと探したよ。ネックレスより、チョーカーが良かったから、より時間がかかって」
チョーカーか、ネックレスより首にピッタリと付き、自分から存在が明確に分かる。実際付けてみると、同じデザインながら、雪花の付けるネックレスとは、印象も違っていた。
見ていると、雪花は私に近寄って、耳元で囁く。チョーカーの意味を、教えられる。
「私の方が、きっと夏海より重くて縛ると思うんだけど、良いよね?」
私は、頷く事しか出来なかった。そんなの、好かれているなら嫌な事なんて無いのだから。
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