第10話「双子の繋がり」

「私は月美の事が好き。うん、私も好きだよ」

 月美の腕を取り直し、その目を見据えて伝える。双子とは、やはりどこかで通じ合うものらしい。私も、月美と同じように、姉妹を相手に好意を浮かべるのだ。

「それって、本当に交際できるってこと?」

 月美は私が好意を伝えると今度は再度確認するように身を乗り出して聞き返す。近い近い。キスしたままの距離なのに、ぶつかってしまいそうだ。それとも、求めているのか。

 それだと解釈し、近くまで寄せられた唇に、今度は私から唇を押し当てる。いや、そんな表現ではまわりくどいか。キスをする。

「本気じゃなきゃ、キスなんてする?」

 イタズラっぽく笑いながら、月美の問いに別の問いで返す。

「ううん。本気なんだね。嬉しい」

 そういうと、月美は頬を紅潮させ、再び私と唇を交える。

「ずっと出来なかったから、これからいっぱいしよう。日和」

 ふと、月美に姉さんではなく、自分の名前を呼び捨てにされると、私の心はたまらなく嬉しくなってしまう。

「そうね、いっぱいしよう。月美」

 互いに想いが相乗されていくのには気付いているのだろう。これから大丈夫だろうか、歯止めとか、利けばいいのだが。

 やはり今までの反動だろう。どうしても、止めることは出来なさそうだった。

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