第9話「やっと楽に……夜宵×明季」

 月曜日の仕事は誰しもが嫌に感じると思う。私もだし、今休憩所で半分サボっているような状態な子は他にもいる。例えば、デスクが隣の明季さんも、机に突っ伏してため息をついていた。

「どうしたの、いつにも増して疲れてるじゃん」

 私もまあ、いつにも増して疲れている。唐突な暁美母の来訪は、想像以上に手を焼いた感がある。

「んー、疲れてるよ。柄にも無いことしたし」

 そう言って私に見せる顔は、結構幸せそうだった。報われた苦労なら、まだいい方か。私の場合は、取り越し苦労だったが。まあ、平和に事が済んだからよしとしよう。

「でもこれからも大変そうなんだよね。色々と怖いし。世間様に顔向けできないだらけだよ」

 そういえば、明季は姪と二人ですごしているんだったか。少し、悪い妄想が進んでしまう。

「それって、姪の子と何かあったの?」

 ついついイタズラ心にそう聞いてみる。が、明季は、ガッチガチに固まって私を信じられないような目で見つめるというものだった。

 まさか、図星だったのか。

「まあ、私も同じようなものだよ。同性とパートナーになるつもりだし」

 流石に、年の差や血縁関係まで含めると、私でも笑えない冗談だが、それでも本人達が幸せなら、それが一番だろう。少なくとも、誰かにかき乱されない内は、だが。

「頑張って、私は明季を応援するから」

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