第4話「恋をすると……日和×明季」

「明季先輩、今日一緒にご飯いいですか」

 お昼休みに食堂に行こうかと席を立つと、同じ部署の日和ちゃんが昼食に誘ってきた。たまには誰かと一緒に食べるのもいいかも知れない。というより、誰かと食べた方がいいに決まってるのだ。

「そうだね、食べようか」

 2人で食堂へと向かうが、特に話題もなく手持ち無沙汰になってしまう。

「そういえば明季先輩、最近少しイキイキしてません?」

 イキイキしてるだろうか。言われても自覚がないので首を傾げて考えてしまう。そういえば、女性は恋をすると……。

「い、いや、そんなことないと思うけど、どうだろう。あ、でもそれを言うなら日和ちゃんも、結構イキイキしてるんじゃない」

 焦ってつい早口になってしまうのを自覚しながら、逆に日和ちゃんを問い詰める。むしろ私以上にイキイキしているように見えるんだから、きっと日和ちゃんだって恋をしているはずだ。

「まあ、そうかもしれませんね。妹と居ると、退屈しませんから」

 妹の事を話す日和ちゃんは、やはりイキイキしていて、その姿は、恋する乙女のようだった。

「私も、そういう人が居るのかもしれない」

 ハルが、真に私を想って貰うと言っているのかは分からないけれど。それでも、私はハルに恋してるのかもしれない。

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