第3話「お邪魔します」
ふと気付けば、私は雪花の家にお邪魔していた。いつも帰りに私は彼女の家に来ている気がする。最近になってはお邪魔しますと言う過程が頭の中で自動化されてしまったのか、今日は言ったかどうかも覚えていない。本当に、気付けば雪花の部屋にいるのだ。
「なんか、悪いね。毎日のように来ちゃって」
たしか全ての始まりは雪花の誘いだった気がするが、まあ、お邪魔しているのは私だし、礼儀は通さなくては。
「いいよいいよ。その分、後で夏海の家にもお邪魔させて」
なるほど、そういう魂胆だったか。だいぶ前からそんな事を言われてた気がするが、いまいち思い出せない。とりあえず今言われたことを改めて覚えておこう。
「あー、疲れたね」
私が座るテーブルの隣に座り、突っ伏しながら私の顔を覗く。丁度ぼーっとしていたのを見られ、私は慌てて顔を背ける。
「で、でも、明日から土日だし、今週も頑張った。ゆっくり休もう」
そのまま仰向けに倒れ、天井を見る。あ、電気が眩しい。つい目を閉じてしまう。
「ゆっくり休む。それ、私の家でしない?」
再び目を開けると、目と鼻の先に雪花がいた。名案を考えついたように、笑みを浮かべている。して、どうしたものか
「とりあえず、家に電話してみてもいい?」
そうして電話をしてみたら、案外あっさりと許可されたのだから、幼馴染の間柄というのは家族ぐるみなのだなと思う。
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