えぴそーど、はち。ひていてきなようじょ。
久しぶりに更新します。皆様いかがお過ごしですか?
ここ数カ月は新型コロナウイルスによって、世の中が劇的に変化してしまいましたね。今後もどうなっていくのか不安で、ウイルスのことを思い出す度そわそわと落ち着かなく、胃の痛い思いです。……でもそんな事を考えていても気が滅入るばかりなので、娘の成長を記録すべく、久々に何か書いてみたいと思います。
最近は保育園も基本的に休園の状態になっており、自宅で娘を見る時間が増えました。幼女との濃密な自宅時間……。自宅保育初日から、私はそれがいかに大変なものだったかを思い知ることになりました。
休園になる前……私と娘とが平日一緒に過ごす時間は、夕方六時から朝八時頃までだけでした。他の時間は全て保育園におまかせ。美味しくて栄養バランスの良いお昼ご飯を出してもらって、絵本を読んでもらって、お友達と運動して遊んで、規則正しい時間に昼寝をしてもらって。あとは夕ご飯を食べお風呂に入って寝るだけですよ、という状態で返却して頂いていたのです。また、年頃に合わせて着替えを自分でするよう促したり、トイレトレーニングもして頂いており、英語の授業まで始まっていて、教育自体も園におまかせ状態でした。
さて今日からしばらく自宅保育よ。良かったわね、パナ子ちゃん。娘もうれしそうで、いつもより気の抜けた甘えん坊の顔をする事が多くなりました。
でも育休明けの頃の一歳児の娘と、二歳になった今の娘とでは育児の大変さもグレードアップしていた事に、私は今さらのように気づく事になったのです。
まず娘は、絶賛イヤイヤ期に突入していました。何をするにも否定的な言葉ばかりを並べ、時には自分の意思と真逆の結果になるとしても、否定的な言葉を言うのです。
ある日の夕ご飯、娘はご飯がまだ残っているのに、何か甘いものを持ってきてほしかったらしく、カウンター越しのキッチンに向かって手を伸ばし、駄々をこね始めました。
「まだ全然ご飯食べてないじゃない。こっちを先に食べないと」
すると娘は威圧的な視線をこちらに向け、真顔で、人差し指を横にちらちら振りながら言いました。
「NONOやらないバイバイ」
「ひっ……?!」
私はショックを受けました。否定的な単語を三つも重ねるという高等テクニックを使ってまで、ご飯を食べることを拒否してくるなんて。おまけにジェスチャー付きだし、おそらく英語の授業で習ったばかりであろう「NONO」という言葉が使われているだけに(ちょっと賢いな)と思ってしまい、怒りの瞬発力も失われ、なんとも言えない気分に……。
それでもご飯を食べなさいと言い続け、他の食べ物を取りにいかないでいると、娘のご機嫌は悪化し、自分の意思に関わらず全てを否定するモードに入ってしまいます。
「お味噌汁飲めば?」
「しないよ」
「お茶飲む?」
「しないーーーっ」
「じゃあ仕方ないなあ……ジュース飲む?」
「やらないーーーっ。バイバイっ! うわああああああああああん!」
本当は娘は、ジュースは飲みたかったはずです。それでも、もう否定モードに入ってしまうと、気乗りしなくなってしまうのです。
これでご飯を終わりにしてしまっても死ぬわけではないし、教育上は寧ろ終わりにしたほうが良いのかもしれないのですが、母は幼女に甘いので、根負けしてついつい、冷蔵庫からチーズやカニカマを持ってきてしまいます。ただ、母の意地もあるので今はまだ、プリンやゼリーは持っていきません。
「あっ! チージュだ」
娘はパーにした手を一生懸命差し出し、イヒヒ、と笑いました。
こんな感じで一回の食事でも大ごとなのです。そうした大仕事が一日の中に何度も出てきます。おむつ替え、着替え、三度の食事、お風呂、お昼寝、夜の寝かしつけ。
さらには空白タイムでさえも平和ではありません。何もせずにご機嫌で過ごすなどという事はないのです。私に寄り添い私の腕をカリカリひっかき続けたり、私のお腹の上に乗っかり「しゅっぱーつしんこーう!」と言って揺れ始めたり、私がスマホを見ていればスマホを奪おうとしたり、勝手にスクロールしたり画面を連打したり。
それで結局は、娘にテレビを見せることになります。教育テレビやサンリオの子供向け番組、オンライン幼稚園など……。いつも不思議だなあと思いますが、子供向けの番組には、ちゃんと子供は釘付けになるのです。最もその効力は何時間もあるわけではないですが……。
そうすると大体、自宅保育の一日というのはこうなります。朝起きて、おむつを替え、朝ごはんを食べ、何らかのテレビを見せ、お昼を料理し、お昼ご飯を食べ、おむつを替え着替えをし、昼寝をさせ、なかなかうまく寝付かせられず、ようやく寝たら私だけそーっと部屋を出て自分の時間を過ごし、夕方また起きてきて、娘にテレビを見せながら夕食を作り、夕食を食べ、お風呂に入れ、寝かしつける。
なんと私の要領では、ほぼ何もしないまま一日が終わってしまうのです。外出禁止の世の中ではありますが、むしろ外出時間を作ることは難しく、たまに日光ぐらい浴びなければと近場の道を歩かせますが、あちこち触るのでヒヤヒヤするし、家に帰ってから場合によっては心配でお風呂に入れたり、そこまでしなくても手洗いと着替えにも手間がかかり……。現在は、ベランダで外遊びの気分になってもらえればいいのかなあとも思い始め。しかしそれはそれで、運動不足が心配でもあります。
こうした毎日を過ごしていて、今さらのように思うのは、私が娘を教育しなくちゃならないんだな、という事です。
親なんだから当たり前なのに、今までは一緒に過ごせるだけでオールオッケーで、それでもやっとの事ように感じていました。
でもこれからもし、外出自粛が当たり前の世界になり、それが数年単位で長引くのなら、保育園に変わって私が娘を教育しなければならない。まだトイレトレーニングも終わっていないし、他者との関わり方も我儘で未熟。そんな娘に、他の同じくらいの年ごろの子供ともしばらく会えないような環境の中で、私が教育していかなくては。現状では絵本もろくに読んであげていない、ただ食っちゃ寝の生活しかできていないというのに……!
でも私と毎日一緒に過ごせることが、どうやら娘にとっては嬉しい事のようです。ムスっとした顔のことが多かったのに、この頃はエヘヘヘとデレデレしながらくっついてくる事が多くなり、あまり抱っこして欲しがる子ではなかったのに、ダッコダッコーと甘えてくることが増えました。
大変な事もあるけれど、娘と毎日共に過ごす時間にも価値を感じています。
これから世の中がどうなっていくのか、我が家がどうなっていくのか全く先が見えないけれど、悲観的になりすぎず、しかしなんとか生き延びていきたい所存です。
それでは今日はこの辺で。
また次のエピソードでお会いしましょう。
どうか皆様が健康に過ごされますように!
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