えぴそーど、よん。どきっとさせる、ようじょ。

 みなさまこんばんは。いかがお過ごしですか?


 私は一週間前くらいから、ずっと風邪をひいています。娘が保育園に入ってからというもの、健康な時の方が少ないくらいに、ずっと風邪をひき続けています。

 大人になってから風邪なんてほとんどひかなかった私なのですが……。育休明けから知り合った社内の方に「猫田さんって病弱な人なのか思った」と言われてしまった程です。そんな勘違いを生むほどに、私は常にゲホゲホ噎せながら涙目で日々を過ごしています。


 娘も先週は風邪で何日も保育園を休んだのですが、今はもう良くなって、私よりもたくさん朝食を食べるし、数日ぶりに散歩に出れば延々歩きたがるし、人のスマホは奪うし履かせたオムツは脱ぐし、私が数年前すこーし婚活していた頃に買ったジルスチュアートの可愛すぎる鏡も割るし、とっても元気です。


 ところで私は普段、さほど娘と遊んだり娘になにかを教育したりということをしていません。いけないこと、危ないことをしそうになると咄嗟に「ダメーっ!」とか「やめてーっ!」とか叫んで止めに行ったりはしますが、例えば物の名前を教えたりとか、おままごとをするとか、歌いながら手遊びをするとか、そういうことは本当にたまにしかしていなくて、気が向いた時に絵本を読む・歌を歌う・謎のダンスを踊るだけで、しかもそれらは自分がしたい時にするだけです(全く褒められたものではない)。

 そのせいで喋れなくなっても困るか、とたまに焦って「これがニャーニャーでしょ、これがコケコッコでしょ」とやってみますが自分の忍耐力がなく長続きはしません。単発でしか発生しないイベントです。

 今になって思うのですが、教育ママってすごいですね。日々子供に教育を施し続けるのって、物凄く精神力が必要な事だと思います。


 そんな、母親らしさに欠けた私である上に、私は日中仕事をして娘を保育園に預けているので、娘と関わるのは夜のわずかな時間だけ。

 これでは娘は、母親の愛情に飢えた人間になってしまうかもしれない。愛情に飢えた人間の末路……不幸な予感がしてきます。

 なので私は、日中保育園頑張った事へのねぎらいと、母親の愛情に飢えた結果娘の人格が歪まない為にと、なるべく寝る前に娘を褒めたり愛情を言葉に表すようにしているのです。こんな母親らしくない母親であることの、せめてもの償いに……。


 元々私はロリコゲホゲホ……少女趣味であり、幼さに美しさや尊さを感じます。なので……というわけではなく自分の子供だからなのかもしれませんが……娘を心の底から褒め称えることは容易なのです。


 だから寝る前にギューっと抱きしめながら、可愛いねえ、良い子だねえ、今日も頑張ったねえ、と言ったり、なでなでしたりします。ママ、パナ子のことがだーーーーーいしゅき! と言ったりもします。

 そうすると娘は「ギャハハハハハ!」と実に愉快そうに笑ったり、幸福感に身を揺らしながら「ウーウー」と唸ったり、それはそれは喜んでくれるのです。

 そして私の愛情表現の最大級は、ほっぺにチュー、なのですが、これをすると娘はくすぐったいのか生理的に無理なのか「ギャーーーーーーーーーーー!」と叫んで笑いながら逃げていくのです。そんな時、私は自分がセクハラおじさんのように感じなくもありません。


 なのでほっぺにチューは、もうそろそろやめておこうかなあ、なんて思っていたのですが。


 今夜、またいつものように部屋を暗くして娘を褒めてから寝かしつけていたら、ふいに娘がニコっとして、私の顔を凝視し始めました。

 えっ? なになに?

 時が止まったような気がしました。

 ドキドキ。

 なんだか意味ありげな笑顔。

 娘はニコっとしたまま、すりすり、私に近寄ってきます。

 そして。


 ――――なんと、私の鼻にチューをしたのです!


 娘は今まで自分からチューをしたことなんて、一度もありません。

 そのまま娘はケラケラ、と笑って元の位置に戻っていき、そしてスヤスヤ、眠りにつきました。


 あ、あいされてるううううううううううううううううううううううううううっ!

 

 それで私はこの記念すべき出来事を是非書き留めておかねばと、今こうして真っ暗な部屋の中、PCをカタカタ鳴らしているというわけなのです。


 ……ふぅ。


 娘から愛され続ける母親でいられるよう、引き続き頑張りたいと思います。


 それではみなさま、おやすみなさい!

 

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