えぴそーど、に。 おこりがおのようじょ。
私ね、萌え豚だったんですよ。
萌え豚ってわかりますか。ググってもらったらわかります。
つまり可愛い美少女の二次元キャラクターが大好きな大人だったんです。
その上、ドール収集も趣味でした。可愛い美少女のお人形を集めては着せ替えを楽しんでいたのです。
そんな私はついに、リアルガチ幼女を手に入れたのですが……。
我が家のリアルガチ幼女は、生まれた時から貫禄があり、態度が大きく、いつも怒った顔をしていました。
まだ生まれたての、新生児の頃からです。
そういえば私は新生児の娘と一緒の布団で寝るときに「この人頼りになりそうだなあ」と思いながらその寝顔を見つめていました。初めて赤ちゃんを育てることに不安を感じていた私(母)を、娘(0歳児)は「怯えるな、どーんと構えろ」とその顔で訴えかけているような気がした……それほどまでに、頼りになりそうな表情をしていたのです。
娘は亡くなったお祖母ちゃんにそっくりの顔で、そのお祖母ちゃんが気が強くて芯のしっかりした人だったので、余計に娘が立派げに感じました。お祖母ちゃんが見ているからいい加減な育児は出来ないなあ、なんて思いながら添い寝をしていました。
あれから一年。
娘の顔は、今も怒り顔のままです。
眉毛は逆八の字で、目はつぶら、鼻は上を向き、口は富士山のような形……。
その上、褐色ロリ……もとい、肌の色が小麦色なのです。外遊びが大好きで、最近は鉄棒にぶら下がり、筋肉自慢をしてきます。
気の強い元気な子供。
まさか気が弱く引きこもりがちな私からこんな健康的で気の強そうな子が生まれるなんて、思いもしませんでした。
「ハイ!」
元気よくそう言いながら娘がコップを指さします。
「喉が渇いたの?」
尋ねると娘はこくこく頷き、早くしろと言いたげに、言います。
「ハーーーイッ!」
「はいはい、注ぎますよ」
私がコップに麦茶を注ぎ娘に渡すと、娘は首を横に振ります。
娘は麦茶があまり好きではなのです。
「甘いものばかりじゃなくて、麦茶も飲めなきゃ困るでしょ~」
ジュースがもらえないとわかり、娘は仕方なく麦茶を口に含みます。
「ケホ、ケホケホ!」
娘は水か麦茶を与えられると噎せます。乗り気のしない飲み物を飲まされていることへのブーイングでしょうか。
「なにもそんな噎せなくても……」
そして噎せてまき散らした水分を、私は健気にティッシュで拭きとるのです。
と、こんな風に書いてしまうと子育てにマイナスのイメージしか浮かばないかもしれませんね。
そうそう、今日、いいこともあったんです。
最近私は娘によく、痛いの痛いの飛んでけ~とよく言っていました。
転んだり足をぶつけたりしてわんわん泣いてしまう娘を慰めるために。
そして今日、私は足の小指をソファーの角にぶつけてしまったのです。
「あいった~!(泣)」
すると娘が駆け寄ってきて、私の足を両手でもみはじめました。
「んん?」
戸惑っていると娘が私の足を両手でもみながら言いました。
「イタ」
ま、まさか。
と、その瞬間。
娘は手をまっすぐ上に振り上げ、天井を指さしながら言ったのです。
「トン!」
――トン!!!!!!
素人にはわからないかもしれませんが、娘は私に、痛いの痛いの飛んでけをやってくれたのです。
しゅしゅしゅごいねえええええええええええありがとぅぅぅぅぅぅぅぅっぅちゅぱちゅぱちゅちゅっちゅっちゅちゅ~~~~~~!!!!!!
ロリコン心がさく裂しそうになるのを抑えつつ、私はゆっくり、娘の頭をなでました。
「あら優しいのね。どうもありがとう」
「アイ」
これが、子育ての喜びの一部です。
なにか感じ取って頂けたら幸いです。
わあ、もう日付を超えてしまった。寝なくては。
今日始めたこのエッセイ、私の精神衛生上良さそうなのでこれからも勝手に続けさせてもらうね!
それではまた、次のエピソードでお会いしましょう!
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