第3話 レイジとクラン

「ジークとフェリシアって明日ヒマ?」

「ああ、明日も予定はないが何かあるのか?」

明日にAWのクラン加入しようと思っているということを伝える。

すると二人ともまだクランには加入していないらしく、一緒に面接に行くことになった。明日の午後にギルドに集合してからAWクランのホームに行くということを伝えて解散しようと思っているとジークから飯に行かないかと誘われた。特に断る理由もないのでフェリシアとジークと一緒に夜ご飯を食べることになった。食べに行くお店は『ななはち』ジークの行きつけのお店だそうでなんでも安くておいしいらしいギルドからは少し遠いが、ちょうど宿への帰り道の途中にあった。お店はあまり大きくはなかったが、個人経営ならではの距離感でとても親しみやすかった。肝心の料理はというと、『An take』とは違う豪快でとてもパンチのある味で俺やジークの味覚にはばっちりあっていたけれど、フェリシアは少し苦手だったらしくあまり良いコメントはもらえなかった。食べながらジークやフェリシアに迷宮都市に来た理由を聞いてみた。

「なあ、ジークはどうしてこの迷宮都市に来たんだ?」

「俺か?俺はあまり金がなかったから金持ちになるために来たんだ」

ジークがここに来た理由は少し俺に似ているな…と思いつつフェリシアにも聞くと

「私はただ昔から体を動かすことが好きだったから、ここにきたの。親には反対されて勝手に逃げ出すようにここに来たけれど、後悔はしていないわ」

フェリシアがここに来た理由は簡単だったけれど、親の反対を押し切ってきたわけだから後悔がないとは言っているが、少し心残りなんかもあるのかな…と考えていると

フェリシアから

「あなたはどうしてここに来たの?」

と聞かれた。俺は簡単に

「ほら、英雄譚ってあるだろ?俺はその英雄にあこがれて英雄になるために来たんだ」…というと少し間を開けてジークが急に笑い出した。こいつ酔いすぎじゃね?

と思い。飲んでいないフェリシアのほうを向くと、彼女の方も笑いをこらえているのが見て取れた。

「そんなに変だったか?」と聞くと

「いや、ただ今どきそんなこと言う奴いないからちょっと笑っちゃっただけだ。ただ俺はそう言う奴はきらいじゃないぞ。」と言われた。

その話が終わるとちょうど食べ終わったので会計を済ませて外に出た。たまたまフェリシアと宿が同じだということがわかり、ジークと別れて帰っていると、フェリシアがダンジョンについてどう思っているか、と聞いてきた。おもったまま

「簡単に稼げるし、いいところだと思う。」というと

「まだ来たばかりであまり知らないかもしれないけれど、ダンジョンはどこでも危険なのよ、少し油断するだけで死んでしまうそういうところなの。常に集中していないとすぐに足を取られることもあるから、油断だけはしないでね。」

結構きつめに注意された。確かに…と素直に感心した。そうしているうちに宿についた。フェリシアを部屋に送り、自分の部屋に戻ると強い眠気に襲われて、泥のように眠ってしまった。



~作者より~

更新が遅くなってしまい申し訳ございません!!!

週に2回は更新するのはきつい!というわけで更新ペース変更のお知らせ

2週間に3本更新にしたいと思います!ごめんなさい!

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