第8話「フロンティア大陸について知ろう 2」
ソフィに宿場町を案内され、道周とマリーは衣装替えをした。
サーモンピンクの色鮮やかなコンビニの制服では異世界での生活では何かと不便だ。特にこちらの世界の文化とあまりにも解離した格好は好奇の目を惹いてしまう。
それではいけないと奮起したマリーは、率先して異世界の服屋を物色した、
結果、マリーの独断により道周の衣替えが行われたのだ。
「ミッチーは動きやすさ重視でなおかつ、暗色でセットアップを……」
「ほうほう、なるほど。
えぇ! そんな組み合わせが!?」
マリーは道周を着せ替え人形にして、手当たり次第に服を合わせる。
ソフィはハイペースな換装と飛び出す現代日本的ファッションセンスに、一々感嘆の声を上げていた。
マリーが一刻ほど道周のコーディネートを行い、最終的には紺を基調としたシンプルでスポーティーな格好に落ち着く。道周が右手首につけている群青色のブレスレットとの取り合わせも良い。
マリーにされるがままだった道周は疲弊しきっており、ようやくの終わりに若干の喜びを滲ませる。
「やっとかー。男のコーディネートに時間かけて、自分のコーディネートにはどれだけ時間をかけるつもりだよ」
「あぁ。私の服はもう決まってるから大丈夫だよ。ミッチーの着せ替、コーディネートついでに物色していたから」
「……は? 今なんと?」
「なんでもー。
じゃ、着替えてくるね」
「はい。ごゆっくりマリー」
ソフィは快くマリーを見送ったが、道周は腑に落ちない気持ちだった。
「女って分からないな」
道周がホロリと一人ごちった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます