No.30 悪役王女と精霊の姫


「ねぇフロウ。」

「なに」

「退屈なんだけど。」

「そう。」

「なんか冷たくない!?!?」

「そう?」

「うん。このままだと私退屈すぎて溶けてしまうわ。」

「わぁ大変なの」

「棒読み過ぎる!!……このままだとフロウとスノアで恋愛ドラマさせるわよ。」

「……」

「あからさまに嫌そうな顔しないの!」

クスリと笑うフロウ。

きらりと輝く彼女の首にかかった雪のネックレスは、私がこの前プレゼントしたものだ。


今日は誰もが嬉しい休日。

だが欠点がある。この世界にはスマホもパソコンも何も無いと言う事だ。

イコール…私は今とても退屈している。

もういっそレイやリンヴェルでも良いから遊びに来ないかな……。

ユーリも全然来ないし…いつの間にかクラスにお友達でも…!?!?

クラスが違うと色々不便なものだ。

いっそこちらから行ってみるか…?うん。そうしよう。じゃあまず服を着替えよう。

「フロウ〜取り敢えず服を……」

「フィファナテ。」

「はい……えぇっ!?」

「ふんっ。この水の精霊王、シヴェリア様がわざわざあんたみたいなやつの所に出向いてやった事、感謝することね!」

「シヴェリア、煩い。」

水の精霊王シヴェリアと炎の精霊王モレアナ……。一体なぜここに?

の命令によりあんたを姫のとこに連れてくわ!拒否権ナシだからね!モレアナ、ちょっと拘束して!」

「もうした。早く行くよ。を待たせたら駄目。」

「うわっ!?」

いつの間にか拘束されていたのに気付いた瞬間、米俵の様に担がれていた。

そして瞬きした瞬間にどこかの国?の様な場所へ連れてかれていた。

「ロワンシェさまぁ!連れてきましたよぉ〜っ!」

ハートが着きそうな高い声で誰かの名前を呼ぶシヴェリア。ロワンシェ……?

「おおきにな、シヴィ。モレアナ。下がってええよ。」

「「御意に」」

明るい緑髪の男……もとい風の精霊王スフェロン、癖のある白髪に黄金の瞳をした男にエスコートされてやって来た青みがかった銀の髪の少女。左目の下にホクロがある。

「きみがフィファナテちゃんやったかな?」

「はい。そうですが…貴女は…」

「おっとおっと〜忘れとったわ、堪忍な。うちはロワンシェ。ロワンシェ・リヴィエールや。よろしゅうな。」

「ロワンシェ様……。何故私をここへ…?それにここは何処ですか?」

「…無礼は慎め小娘。失礼だぞ。」

嫌悪感満載のスフェロンが口を開いた。

「こらスーちゃん、あんたこそ無礼やで!謝りなさい!」

「でっ、ですが姫…」

「ほらぁ早く謝りなよスフィー。」

「ちっ、貴様は黙っていろグレイヴ……」

「えぇ?僕とやるの?無理無理!スフィーじゃあまだまだ僕には届かないよぉ」

「何……?言うじゃないかグレイ……」

「こらっ!スーちゃんもグレイも喧嘩せんの!お客様の前なんよ!全く!」

「申し訳ございません姫。」

「すみません姫様…。」

な、なんなのだこの少女……。精霊王2人の喧嘩を一瞬にして納め、謝罪までさせたのだ。それに先程から精霊王達がこの少女の事をどうしてと呼ぶのかも含め、少女は不思議だ。

「あ、あの、ロワンシェ様」

「ん?どないしたん?」

「ロワンシェ様はどうして私をここに……?」

「せやったせやった。ごめんな、急に連れてこられたで困惑したやろ。スーちゃん、あの子の拘束解いたげて。」

「御意に」

スフェロンが返事をした瞬間、私の拘束が解けた。

「実はきみをここに連れて来た理由はな、うちが気になったからやねん。スーちゃんやシヴィ、アスちゃんにユゼが気になっとる子やからねぇ、うちも見てみたかったんよ。まぁこんなべっぴんさんやとは思わんかったけどなぁ。なぁグレイ。」

「そうですかぁ?僕は姫の方がずぅっと綺麗だと思いますよぉ」

「はは、おおきにおおきに。

あぁそんでな、フィファナテちゃん、うちとお友達になってほしいんよ。」

「お友達……?」

「そ!ほら、うちこんなとこ住んどるから誰も寄って来やんのよ。

人はだぁれもおらんしなぁ。」

ロワンシェは人差し指を上空へ向けたり、私の後ろに指を向けたりした。

何があるのだろうと後ろを見た。

……鉄格子?

…まるでこれは檻、いや、鳥籠の様だ。

鳥籠に、誰も住むことの無い家や建物が建っている。そして少女が精霊と共に暮らしている……?

「何故貴女はこんな所に……」

「知りたい?ここじゃなんやし…じゃあちょっと付いてきて。スーちゃんグレイはよ行くで。」

「「はい姫。」」

スフェロンとグレイヴ…と呼ばれた人はさっさとロワンシェをエスコートして行ってしまった。

一体私は何処へ連れてかれるのだろう……。

不安で仕方がない。

それと同時に、とても嫌な予感がする。

…残念な事に私の嫌な予感は良く当たるのだ。




+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


何度も何度もすみません。

少しのお知らせというか言っておきたいことというか……です。


えーっとまず少し続きます。この話。1話ぐらいですけどね。

そしてこの回、すみません結構雑ですね。誤字脱字または変な場面ありましたらご指摘下さい。

雑って分かってるんだったら直せよってなるんですけどまぁそこら辺は時間の都合で……。はやく読んでくれる方に読んで欲しいんですよ。

あとロワンシェ様はですね、精霊から姫と慕われているだけで、人間です。

まぁ少し秘密はあります。何故姫?とかなんで精霊から慕われるようになったの?とかなんでそんな鳥籠(?)みたいなとこに住んでんの?とか……それは次回で明かされると思います。

次にくせっ毛グレイヴさんですが、彼は氷の精霊王です。

特に触れなかったので一応……。


はい、言いたいことは以上です。何度もすみません……。

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