No.29 悪役王女とお買い物
……おかしい。何か様子が変だ。
いつもすれ違う度にスノアさんは!って話しかけてくる皇女が今日は何も言ってこない。
まぁその方が私も嬉しいのだが…。
数時間前すれ違った時はなんだか別人の様だった。
ブツブツと何かをずっと呟いており、目の下にクマがある。まぁそんな顔でも綺麗なのは妬ましい事だが、どうしたんだろうと気になってしょうがない。
次会ったら聞いてみよう……。
ん?あれは…丁度良いところに。リアーナじゃないか。
「リアーナ!」
大きな声で名前を呼んでみると、リアーナは此方を見て駆け寄ってきた。
「リアーナ、どうしたの?今朝から様子が変だよ?」
「このままじゃ私…。ピンクさんにスノアさんを取られてしまうわ!」
「…は?」
ピンクさん……とは多分フロウの事か。
しかしこんなに綺麗な人が目の下にクマが出来る程悩む事かな?
「1週間程前、ピンクさんとスノアさんが2人でいる所を目撃してしまったのです!雑貨屋で仲良さげに買い物をしていて……!!」
……1週間前?…あぁ!私が2人に買い物を頼んで余ったお金は自由に使えって言った時だ!
何だろう。お揃いのネックレスとか買ったりしているのか〜?いやでも今思えばフロウの髪を結ぶリボンが変わっていた気がする…。
…スノア何も変わってなくない?お金は結構あった筈だけど…。
「本当に私どうすれば……。」
おっと。今はリアーナの話を聞いていたのだった。
「…ではスノアに何か装飾品をあげたらどうですか?」
何も変わってなかったし。装飾品の1つや2つ付けても別に良いのに…。
「……装飾品…。良いですね!!!
それではこの後ちょっと付き合って下さい!門の所で待っていますわ!」
パァっと明るくなったと思えばスキップでどこかに行ってしまった…。
まぁ元気になったなら良いだろう。
「フィファナテ様。」
「はい?」
後ろから声がしたのでくるりと振り返ってみると……何だか見覚えのある令嬢がいた。
どこかで見た事あるんだよな…誰だっけ。
「…貴女最近リアーナ様に近付きすぎではなくて。」
「はぁ…?」
そうだ!最初にリアーナに会った時に横にいた人!良かった…スッキリした!
「…聞いていれば、今日一緒に買い物に行くんですって?貴女、帝国の皇女と2人で買い物なんて、図々しいにも程がありますわ!」
「買い物はリアーナから誘って頂きましたの。そろそろ帰りたいのですが。」
「…っ!リアーナ様を呼び捨てなんて…!貴女何様ですの!」
はぁぁぁん!?私も一応大国の王女だっつーの!この子無礼過ぎじゃない!?出身は…ベニトアイト!?私の国より小さい国の1貴族……。注意をしておかなければ我が国が舐められ兼ねない……。
「…さっきから貴女何ですか?この私に対して『図々しい』だの『何様だ』だの…。
何様か、でしたっけ?私はセンテュリオの王女ですよ。
……これ以上の不敬な言動は慎みなさい。じゃないと貴女、首がすっ飛ぶわよ。」
親指を首に持っていき、首を切る動作をしてやるとその令嬢は尻餅をついて逃げ出していった。
さて、門へ向かわないと。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「これなんかどうですか???」
「…それはスノアあまり好きではないと思います…」
あの後合流し、街に来たのだが…
さっきからリアーナはゴテゴテの女の子が好みそうなネックレスや指輪、イヤリングを見せてくる。
「ではこれは!」
「絶対駄目です!どこで見つけてくるんですかこんなもの!!」
またもやファンシ〜な指輪を見せてきたので即却下してやると、また奥に探しに行った。
……さて、私も探してやろう…って、これ良いんじゃないか?
薄桃の宝石がついた桜のネックレスだ。
その横には……白の宝石がついており、雪の結晶の形をしたネックレス…。
これは…春と冬。まさにフロウとスノアなのでは!?
…1つでもお値段結構するな……なんて事だこの雑貨屋のおばちゃん……!中々のやり手だぞ……。
ぐっ、でも今の私は王女!2つお買い上げだ!
ふふんと決めポーズを決めていた所、たったっと嬉しそうな足音が聞こえた。
「フィア!これなんてどうですか?……えっと、何を……?」
ぐっ。中々心に来るな…。
……これまたファンシ〜なやつだ…。この子はこういうものしか選べないのか……。
「…却下よ。」
「そんなぁ……!」
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
とまぁ色々あり寮に戻ってきた訳だが…。
結局リアーナはファンシ〜を諦めアクセサリーを買うのはまた今度にしたんだとか。
「さて、どうしたものか。」
チャリ、と音を鳴らして出てきたのは2つのネックレス。
日に当ててみるとキラキラ光ってとても綺麗だ。
お金を受け取った時のおばちゃんのニヤけた顔は今でも忘れない。
「フィア、なんなのそれ?」
「うわっ!?……フロウか…びっくりした……。」
ん?今タイミング的に凄く良いのでは!?
「そうだフロウ。どっちかあげるわ。どっちがいい?」
「こっち。」
まぁやっぱそっち選ぶか……。
顔がにやけてきてしまう。
「そう。じゃあ後であげるから待ってて。」
「今じゃないの…。」
「まぁまぁ。そうだちょっとスノアと大事な話があるから少し席外してくれる?」
「……了解なの。」
フロウはそう返事をすると、私の部屋から出て行った。途中「大事な話……」と呟いていたのは聞かないフリをした。
「スノア。」
「なんでしょうかね。」
「これあげる。どっちがいい?」
「いらないんですが。」
「命令よ。どっちがいいか選びなさい。」
「……これ」
「へっ、へぇー?うん。フロウー!もういいよー!」
「は?え、今くれないのかよ?」
「まぁまぁ。ちょいとお待ちよ。」
「げっ、なんで此奴がいるの!」
「まぁまぁ!さぁ、日頃の感謝を込めまして君らにこの私からプレゼントですよ。」
そう言うと私は座っている席を立ち、まずはフロウにネックレスをつけ、次にスノアにもうひとつのネックレスをつけてやった。
ぎゅっと嬉しそうにネックレスを握るフロウが可愛すぎて思わず抱き締めそうになった。
スノアがフロウの方を見て少し顔を赤らめていた事は秘密にしておいてやろう。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
※この雑談は読んでも読まなくても大丈夫です。
はい。皆様新年明けましておめでとうございます。
早いものでもうすぐオリンピックですね。
いつの間にか歳をとっていきましたよ私も…。
おっとどうでもいい話が混じりましたね。
もう本当に今回のお話は雑すぎてもうダメダメですね。誤字脱字等あればご指摘下さいませm(*_ _)m
あっちなみにわかっている方いらっしゃると思うんですがフロウちゃんとスノアくんが選んだネックレス、実はフロウちゃんが雪の結晶のネックレス、スノアくんが桜のネックレスを選んだんですよ。即答で。いやぁもうリアーナ様がそんなの見かけたらもうやばいですね(?)
最近出てきていないリンヴェルくんやレイゼルアくん、ベリルやユーリちゃん、シーナさん等がメインのお話とかも書きたいですねぇ。はい。
早く高等部にいって修羅場起きねぇかなぁとか思っているわけですけどもまぁこれ以上一瞬で歳をとるというのはね、読んで頂いているフォロワーさん等にご迷惑かなと思いまして。修羅場がお好きなお方はもう少しお待ち頂けると幸いでございます。
また、早く話進めろよってお方が多い場合、遠慮なく行かせて頂きますのでそこんとこ宜しくお願いします。
今年もどうぞ宜しくお願いしますm(*_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます