クリスマス番外編
今日は人間の世界で言う…クリスマスという日らしい。
別に俺はそんな日だとかはどうでも良いのだが、主がクリスマスパーティーに行かなければならないと言い、俺とお転婆娘でついて行く事になったのだ。
煌びやかなシャンデリアに豪華な料理。
だだっ広いホールに豪奢なドレスやスーツを来た貴族……。
見ているだけで目がチカチカし、頭痛が襲ってくる。
主に帰りの時以外は自由にしていいと言われたので俺はホールを出て中庭へと移動した。
なるべく人のいない場所に移動したつもりだったのだが……。何故かお転婆娘がいた。
「……どっかいけなの。フロウは休みたいの。」
「やだね。お前がどっかいけ。」
ニヤリと笑ってやるとお転婆娘は呆れた顔でため息をついた。
「……おいバカスノア。今日はあの帝国の皇女様もご出席らしいの。早く行ってあげたらどうなの?」
悪い笑みを浮かべながらお転婆娘が言う。
あんな女と付き合うのは御免だ。
「それに求婚までされたとか聞いてるの。良かったねぇバカスノア。」
こいつからかってやがる。腹立つ……!
「断るに決まってんだろ。そもそも妖精と人間が結婚できるか。」
「……ふむ。一理あるの。でも……誰かが『愛に種族なんて関係ないのよ〜♡』って言ってたの。」
「……お前それ絶対
「さぁ?どうだろう〜」
「腹立つ……。」
「……見つけましたわスノアさん。」
「え……。リアーナ皇女……?」
面倒なのが来た。
すると皇女はすぐにお転婆娘の所へと向かった。
「……ピンクさん……!貴方こんな人気のない所でスノアさんと何を……!」
「……はぁ……?ただ話をしていただけな……です。それとフ…私はピンクではなくフロウという名前が……。」
「私絶対負けませんから!」
「だからなんの話……」
「スノアさん!ホールに戻って私と踊りましょう!」
「すみません皇女。俺は今日踊れる気分ではないので……それに一従者と踊ってしまえばあらぬ噂が立ちますよ。」
「スノアさんとの噂ならどんと来いです!」
俺が嫌だわ!!!
…そうだ。お転婆娘を利用してやろう。
そうすればこの女も諦める……筈。
「すみません皇女。俺、少しこいつに用がありますので……。」
俺はお転婆娘の手を握り、立ち去ろうとする。
「は!?ちょっ、バカスノ……」
「それでは失礼します。」
「あっ!待ってスノアさん!」
よし。早足でここまで来ればもう安心……。
それにしてもここも中庭か?ぐるっと回ってきたのかもしれない。
庭に植えられた薔薇が風で揺れている。
ほのかに薔薇の香りもして心地が良い場所だ。
「おいバカスノア!早くこの手離すの!」
は?手?あぁ握りっぱなしだったな。
パッと離してやるとお転婆娘は手をパッパッと払った。なんか腹立つ……。
すると急に激しい風が吹き、薔薇の花弁が空へと舞った。
「……綺麗。」
月明かりの下、白い瞳に花弁を映すお転婆娘の姿を見ると、何故かぎゅうっと胸が締め付けられた様な気がした。頬が熱くなっているのも分かる。
……きっと、寒い中ずっと外にいたからだろう。風邪を引いたのかもしれない。
すると視線に気付いたのかお転婆娘は此方を見た。
「……何。」
「なんでもねーよ。」
「な”っ!」
此方をじとーっと見てくるお転婆娘に俺はデコピンをしてやった。お転婆娘は大袈裟に額を押さえる。その姿を見て2人で大笑いをしていた。
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はい。メリークリスマスですね。皆さん。
本当は今回、フィファナテとかの話も入れて短編を詰め込もうとしたんですが時間がなくてフロウちゃんとスノアくんの話しか入れれませんでした。すみません💦
そしてこの回は期間限定にしようと思います…と思いましたがやはり残そうと思います。
はい。それだけです。
では皆様もう一度。
Merry X'mas!!!
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