No.28 冬妖精と皇女のデート (スノアside)


……遅い。遅すぎる。

大体俺がなんでこんな事してるんだ。

そもそもあのバカ主が変な事で俺を呼んで……そんで今の俺は一従者だから大国の皇女のお願いは断れないし……。そんで来てみればもう1時間も遅れてる……?帰ってやろうか。

あーもう面倒臭い。ほんとになんなんだあの皇女。礼儀というものを知らないのか……?

ボンボンだから我儘に育ったんだろう。

全く。うちの主も最近は高いところにある物を取ってー。だの、紅茶が飲みたーい。だの……。お転婆娘にやらせればいいものを何故俺にやらせるんだ……。


「すみませんっ!遅れてしまいましたぁ……。」

ほんとだよ。……なんて事は口が裂けても言えない。

「……いえ。構いませんよ。では、何処へ行きましょうか?」

「えっとですね、まずは―……」








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「ねぇスノアさん!こちらとこちらのお洋服……どちらがいいと思いますか?」

「どちらも似合いますよ。」

「ではどちらもください!」

まずい。そろそろ表情筋が疲れてきた。

どっちでもいいよそんなの……。ってかどっちも買うなら最初から聞くな!!

さっきから『スノアさん!』『スノアさんどちらがいいと思いますか?』『スノアさぁん!』

煩いなぁ……。主でもこんなにスノアスノア言わないぞ。耳が痛くなってくる。

大体なんであの女が俺の名前を知ってるんだ。

…………絶対主だわ。うん。大方「あの人の名前はっ?(裏声)」「え?あぁあいつ?スノアだよ!(裏声)」みたいな感じで教えたんだろう。

こういうのを前世の主の世界では個人情報というのではないのか。1番分かってる主が何故……。

「……アさん。……スノアさんっ!」

「はい?」

「ぼーっとしてないで……。次行きましょう!」

声が高すぎて頭が痛い。

あぁ。早く解放されたい―…………

服屋を出た所で毎日見ている髪の色の奴が変な男に絡まれている。


「……こんな所で何してるんだよ…っ!?」


見間違う筈もない。

あの桃色の髪は―……お転婆娘。

主は…いない。だったらナンパ……?あいつ明らかに困ってんじゃねーか…。

ちっ。でもあの皇女をほっておく訳には……

あぁもう!しょうがねぇな……!

「へっ!?あ、ちょっ!スノアさんっ!?」



「……ね?いいでしょ?ちょっとだけ……」

「……でも……」

「……ちょっと!困ってるじゃないですか。やめて下さい。」

「は!?ちょっ!なんでいるの!」

「あれ、彼氏さん?いいねー。イケメンだねぇ。彼氏さんもちょっとだけ見てってよ!」

「……は?」

渡されたのは今日オープンの喫茶店のチラシ。

恐る恐るお転婆娘の方を向くと、やれやれと言わんばかりに呆れた顔をしている。

「……フィアに頼まれて買い出しに行ったその帰りなの。そしたらあの男達が来てしつこく誘ってきたの。オープンしたてなのに人が来ない〜とか言って。……で。あんたはなんでここにいるの。」

「……お前が変な人間に絡まれてると思って助けに行ってやったんだよ。勘違いだったし皇女は見失うし……。散々だ。」

「ここにいますわスノアさんっ!」

「……あぁ。良かったです皇女。さぁ次は何処―……」

「……ピンクの髪の方。私負けませんわ!」

「……フロウ?え、何が……?」

「行きましょうスノアさん!」

「え、えぇ。はい。」

答えるまもなく皇女は俺の手を引いて目的の店まで連れていった。



また戻ってしまった。……退屈だ。

「スノアさん!次はあちらに行ってみたいです!」

「はい皇女。」

「…むー。スノアさん。私の事は是非リアーナとお呼びください!」

「それは出来ません。」

「……では二人きりの時だけ!これは皇女命令です!」

俺の主はセンテュリオの王女であってロースウェン帝国の皇女では無いのだが。

まぁ下手に生意気な態度をとると面倒になりそうだ。非常に不本意だが名前で呼ぶことにしよう。

「……分かりました。リアーナ様」

「様はいりません!呼び捨てで結構ですっ!」

「……リアーナ。」

名前を呼んでやると嬉しそうに飛び跳ねた。

あぁ面倒臭い。ほんとになんなんだこの皇女。我儘すぎるだろ。

「……スノアさん!あのピンクの髪の子と…どういう関係ですか」

「……仕事仲間です。」

どういう関係であってもお前には関係ないだろ。

という本音を押さえ込みきちんと答えた。

「恋人とかでは……?」

「……ないです。」

「良かった!!」

何故俺とお転婆娘が恋仲でないと分かるとそんなに嬉しそうにするんだ。

……まて。もうこんな時間じゃないか。これで漸くこの皇女と離れられる……!

「おう…リアーナ。もうこんな時間です。

早く寮に戻らなければなりません。」

「……そうですか……。もう少し貴方といたかったです。」

俺はいたくない。今すぐこの場から立ち去りたい。

「そうだスノアさん。貴方に少しお話があります。」

「なんでしょう」

「その……スノアさんがよければ……私と……



して頂きたいのです。

すぐに結婚は流石に無理なのでまずは婚約からですが……スノアさん?」


結婚?この我儘皇女と……俺が?冗談じゃない。


「失礼ですが、俺なんかと結婚しても……いや、ロースウェン皇帝や皇后の許しは得れないと思います。」

「それなら問題ありません!お父様とお母様には『自分が本当に良いと思った人と結婚しなさい。本当にその人を好きならば、お父様達は何も言わないよ』と言っておりました!」

「……そうですか。少しお時間を貰いたいです。」

「えぇ。待ちますわ。いくらでも。」


それだけ話すと、皇女は帰って行った。



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はい。度々すみません。

お知らせはもうちょい下です。


※これは作者のリアル事情なのでここらへん読まなくて良いです。良みたい方はどうぞ(?)


今年クリスマスに姪が私に何故かプリキュア変身セット?とかあるじゃないですか。あの服とかの。それをずっと強請ってくるのでどうしようかと迷っております。お年玉は渋々あげるんだしいいかなぁとは思うんですけどね。

そういえば中学生さんや高校生さん達は期末テストどうでしたか?(遅)因みに中学1年生の妹が数学恐ろしい点をとってました。三者懇談終わった後母に怒られてました。私がどこで躓いてるの?って聞いたら「一学期の前半くらいだね。」と、ゲームをしながら答えてきました。先程まで母にど叱られてたのにゲームをするとはいい度胸の妹ですね。誰に似たんでしょう。3学期が非常に心配です。私や兄の様には絶対になるなよと念押ししときました。



……まぁ変な雑談は置いといて、ここからお知らせです。

……えっとですね。次回について少しお話をと思いまして。

次回はもうクリスマスということで、クリスマス番外編を書きたいと思っております。ですので本編は少し中断させていただきます。

勿論私の妄想がたっぷり詰まったものとなりますので、気持ち悪ッ……と思う方もいらっしゃると思いますが、ご了承くださいませ…。

ネタバレ(?)になりますが、この番外編でフロウちゃんとスノアくんの仲が進展したりしなかったり……?になる予定です。まぁ、まだ書けてないのでそれはお楽しみですがね。


次回更新はクリスマス番外編ですので24日か25日……になると思います。いやぁ仕事の関係もありますので遅れる可能性十分にありますすみません💦

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