No.26.5 ヒロインと白百合の塔(シーナside)
「なんで私がこんなとこに閉じ込められなきゃ行けないのよ……!」
手を動かす度にチャリ、と音のなる枷。
埃臭い石造りの部屋。
しかも家具はベッドのみ。食事は1日2食……。本当は重い罪だったけど王女サマが軽くしてくれたーとか王女サマに感謝しろーとか監視役に言われた。本当に煩い。
でも私の1週間に1度の楽しみ……。
それが「スノア君」の見回りだ。
あんなイケメン恋学にいたっけ!?いや、続編も全部クリアしている私が、あんなイケメン見逃す筈がない。
「王子を落として、いっそ逆ハーエンドとか狙っちゃう??
それも良いかも……。」
私の好みドンピシャのスノア君。
そのイケメンを縛り付けるあの悪役王女……。
フィファナテ・ディア・センテュリオ……
あの女、絶対に許さないわ。
悪役王女の癖に……正義を気取ってるつもりなのか……?
「そーゆー偽善者が私大嫌いなのよ……!」
│あの
その行き場のない怒りを枕にぶつけようとした瞬間……
ピシッ
そう手に嵌められた枷から音が鳴った。
枷に、ヒビが入っている。
「なに、これ……。」
ヒビが割れた所から、黒い霧が出てきて、当たりを暗く染める。
「は……?ちょ、意味わかんない……なにこれ?」
見張りはいつの間にか寝ており、やがて漆黒の青年が現れた。
「我が名はヴェルメイ。闇の精霊王也。」
「は……???」
「我が加護を与えし者よ。ここから出たいか、否か。」
「……出たいわよ。」
「フッ。良いだろう。我が貴様を自由にしてやる。但し、貴様が外に出たことがオベリスクや他の神、他の精霊王、もしくは精霊に見つかれば貴様の命は無いだろう。我が魔法をかけてやるとはいえ、悪目立ちはするな。確か……貴様がここに幽閉される期間は5年だったな?それまでは静かに暮らせ。」
「は!?そんなののどこが自由なのよ!
静かに暮らせ、なんて……そんなことしてる暇はないの!!!」
「ま、どこかの機会にお前の言う王子達を侍らせる女に出会うかもしれないな。
身を隠すための家は準備しといてやろう。」
「なっ……」
王子達を侍らせる女……。
悪目立ちしなければいいんでしょ?
些細な嫌がらせならば、バレやしない。
「上等じゃない。ヴェルメイって言った?早く準備をしなさい。」
「我をこき使うとは偉くなったものよの貴様。
……まぁいい。では転移するぞ。」
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「うわっ、埃臭い……」
「掃除くらい貴様がしろ。」
「ヴェルメイ。やりなさい!」
「精霊使いが荒いやつよ。全く。」
そうは言うものの、ちゃんとやってくれているじゃない。
使えるわ。コイツ。顔も良いし役に立ったら逆ハーの中に入れてあげよう。
綺麗になった家。
1人になった室内。
壁にあの女の写真を貼り付けると、ダーツ感覚でナイフを女の額に突き刺した。
「悪役王女の癖に生意気なのよ。勝つのはいつだってヒロイン。せいぜい今を楽しんでおく事ね。」
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
はい、オチがなんか可笑しい。いや全て可笑しい。
更新遅くなり申し訳ありません……。
そして更新が遅かったにも関わらず、こんなショボイ話ですみません……💦
次、すごく飛びまして小学4年生になります。
本当に申し訳ありません💦
【とても感謝✨】
30000PV、フォロワー様250人突破致しました。
ご期待に添えるようなお話書けるようにがんばります……💦
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