No.26 悪役王女とドタバタ夏休み~出会いとお泊まり会編~


「ユーリ!こっちも見てみたいわ!!!」

「え、ちょフィア……!あんま引っ張んないでったら……!」

パフェの1件の後、私達は普通に街を満喫していた。やはり久しぶりの街はいい気分だ。

「……あれ、ユーリ。この路地裏の奥に人がいるわ。」

「……あぁ、多分食に困っている人だと思うよ……。結構危険らしいから近付かないほうが……ってフィア!?」

危険なそうだが私と同じ位の子供に見える。

そんな子を目にして放っておけない。

スタスタと奥まで進んで行くと、子供2人に出会った。

「こんにちは。こんな所でどうしたの?」

「……っ。」

「……ケリアス……」

前に紺の髪の毛の男の子。

後ろに銀色の女の子……見た所双子かな?

顔立ちがよく似ている。銀色の女の子はリンヴェルと同じ様な髪だな。

それに、男の子の方はケリアスと言うのか。

「ケリアスと言うのね?よろしく。そっちの女の子の方は?」

「……フェリィ、……です。あ、あの。貴方は……」

……私の正体をバラす訳にはいかないわよね……。

「……私?私は……まぁ秘密、かな?

……それで君たちはどうしてここに居るのかな?」

「……俺たちは、食べる所も住むところもない。だから食べ物を探して……」

「おい!奴隷は何処だ!!」

「こっちに逃げていた筈……!」

「女の方は忌み子だが顔立ちは良い。どっかの科学者にでも売り付ければ大儲けだぜ。」


「……っもう彼奴らここまで……!」

「ケリアス……どうしよう。私たち、捕まっちゃうの……っ?」

「あなた達奴隷なの?」

「……そうだ。両親に売られたんだよ。」

この国では奴隷は禁止されている……。

これは、スノア達に頼むしかないか。

「スノア。フロウ。」

「なんだ。」

「なに?なの。」

「ちょっとあそこ彷徨いてる奴ら全員捕まえて王城へ連れていきなさい。」

「「了解」」

瞬く間にスノアとフロウは居なくなり、奴隷商人と思われる人達もいつの間にか居なくなっていた。いつも仕事が早くて助かる。

「……ねぇ。フェリィ、ケリアス。私と一緒に来ない?」

奴隷紋……というのはまだついていないようだし、うち……か、学校の寮で匿ってあげれば、大丈夫でしょう。

「……行く。アンタなら、信用出来そうだからな。」

「……ケリアスが言うなら、私も行く……宜しくね、えっと……」

「……もういっか。私はフィファナテ・ディア・センテュリオ。この国の第1王女よ。」

「えっ、王女様……!?」

「そう。でも王女らしくないから堅苦しくしなくて大丈夫よ。

……ユーリー!!!!!」

「うわっ。な、なに!?」

「この子達、私の家で保護しようと思うの!」

「えっ!?だ、だってそこの女の子、い、忌み子……だよ?王家で預かって……いいの?」

「へ?忌み子?何それ?」

「忌み子って言うのは……銀髪青眼で生まれてくる子の事だよ。なんで銀髪青眼が忌み子と言うのかまでは分からないんだけどね。

……それでも、王城まで連れていくの?」

それなら……リンヴェルは、忌み子?

え、えぇ……世界の解釈可笑しいよ。あんなに綺麗なのに……。

それに、フェリィの髪も凄く綺麗だわ。

こんなに綺麗な髪や瞳でも、ここの世界では気持ちが悪い色なのね。

「……私の決定だもの。お父様達に反対されたら私の寮の部屋で匿うわ!!!」

「……そう。じゃあ帰ろうか。」

外はもう薄暗い。

月も出てきている時刻だった。メリアに怒られるかな……。

「そ、そうね……」




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「……という事で!この子達保護したいの!」

「……はぁ……。フィファナテ……あのな……まぁいいか。私は忌み子とか忌み子じゃないとかはどうでもいいのでな……好きにするといいよ……」

「ありがとうお父様!」

お父様が頭を抱えつつも承諾してくれた。

頭でも痛かったのかな?



「さてフェリィ。一緒にお風呂に入ろうね。流石に汚いままじゃ嫌でしょ?髪も整えてあげる!」

「……え、は、はい……」

「……ちょっ、俺は……」

「お前は、俺らとだよ。」

「……フェリィと一緒じゃないのか……」

「アホか。女子と……それに、フィアと一緒に入るとか5億年早いわアホ。」

「……王子様、そんなんだと嫌われるよ」

「んだとこのガキ……」

「1つしか変わりませんよー」

ケリアスの肩をガッチリと掴み、レイが何かを話している。早速仲睦まじそうで安心した。


「結局リンヴェルとレイはここ王城に泊まっていくのね。」

「うん。こんな時間だし王妃様のお言葉に甘えるよ。」

「わ、私も……折角だし。」

ベリルは帰ったらしい。姿が見当たらない。……それに!今日はお泊まり会か。前世では親が厳しくてそんなの出来なかったからなぁ……。

「さ、ユーリとフェリィとフロウ!一緒にお風呂入りに行こ!」

「えっ!?フロウもなの!?」

「私も……!?」

「うん。さぁ出発ー!」





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「皆肌綺麗ね!羨ましいわ……」

「そうかな……?特別な事は別にしてないんだけどね。」

「そうでしょうか……私なんてガサガサですよ……」

「フィアも十分綺麗なの。」

「……そんな事ないわ。ありがとう……。」

ヤバい。

さっきからフロウのたわわな果実にしか目がいかない……。

なにを食べればあんなのになるのだろう。

「……フィア。どこ見てるの。」

「いだっ。ゴメンなさい」




「フェリィ……。」

「お前はどんだけ妹好きだっつの!ほら、流すから目ぇ瞑れー」

「子供扱いするな。」

「……フィアの所行きたい。」

「なんで俺もお前らみたいな子供と風呂なんざ入らんといかんのだ。」

「お前らなぁ……。マシなやつ居ねぇのかよ……。」




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「さっぱり!!」

「……ねぇフィア。この格好は……」

「お泊まり会なんだからあとはパジャマパーティーで女子会でしょ!」

「また……?」

「あの、女子会……って、何を話すのですか?」

「楽しいじゃない女子会。えっとね、恋バナしたりするのよ!」

「こいばな……?まぁなんだか楽しそうです!」

「分かってるわねフェリィ!

……という事で、レイ達は男子会してて!これから男子禁制だから!あぁそう、あとこれ。話に迷ったらこれ読んでね。」


「また急だな……」

「は?ちょっ、フェリィ!」

「……ケリアス……私じょしかいしてみたいから!じゃあね!」

「……フェリィ……。」

「振られてやんのー。さ、俺らもさっさと部屋行こうぜー」


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「……フィアは、好きな人はいるの?前、私達にだけ聞いてたし、いないって言ってたけど今はどうなんだろうって思って……」

「そうなのそうなの!フロウ達だけに言わせるのはどうかと思うの!」

フロウ達が頬を膨らませている。

フェリィは何が何だか分かっていない様だ。

「……私の、好きな人……」

誰だろう。前と同じ回答だとユーリ達が怒ってきそうだ。

好きな人……好きな人なぁ……。

リンヴェル…………いやいや!ないない!

それに、誰を好きになったとしても、ヒロインに受け渡しするんだから意味なくない……?

「……お父様。」

「はぁ……。面白くないの……」

「えっ、そんなに……?」




「……男子会って、何を話すんだ?」

「……僕にはさっぱり。」

「フェリィ……フェリィ……」

「………」

「取り敢えず、フィアからもらったこの紙で……えっと、皆の好きな人は誰?」

「フィア」

「フェリィ」

「………」

「ロクな奴がいねぇ。おいー!そこの……えっと……白いヤツー起きろー!」

「……うーん……あと3年……」

「3年!?……まぁいいとして……次は……女子達を見て思うこと。まず最初は……フロウ」

「……ピンクのフィアについてる人。」

「……ピンクのやつ?…メイドのやつか。フェリィ以外に興味無いしなぁ…」

「……」

「お前なぁ…。」

「兄上の回答は?」

「……え?俺……俺は……怖い奴だな……」

「……あいつは別に怖くないし、根は優しい奴だぞ。」

「え?今なんて……」

「……ぐぅ。」

「結局寝てんのかい……

えー、それで、次は……」


……皆の女子会男子会は、夜中、メリアにド叱られるまで続いたと言う……。




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こんばんは。いつもお読み頂いてありがとうございます。2度も連続ですみません

今回の話は、私の妄想が沢山詰まった話ですので話がごちゃごちゃです。すいません。

そして、ドタバタ夏休みシリーズは、これで終わりとなります。お付き合い下さりありがとうございました。


【フォロワー様190名を突破致しました✨】本当に感謝しかないです。こんなやつの小説を読んでくださり本当にありがとうございます。

レビュー、応援宜しくお願いします!

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