No.14 王子の誕生パーティー 後編



「…僕は……リンヴェル・ベニトアイト……この国の、第2王子。」



「えー!?!?!?!?!?」


嘘。リンヴェルが、第2王子??

レイの、弟……。

「本当なの?……レイ……どうかしたの?レイ。」

「………………」

レイは答えない。ずっと、何かに怯える様に震えている。

「……兄上!!」

ビクッとレイは驚く。

「……フィアが心配しているでしょう。なにか言ってやったらどうなのです。」

「……あ、あぁ。……で、フィア。な、なんだ った?」

そう私の方を向くレイだが、まだ震えは収まっていない。

「……え、いや……大丈夫、なのかなって……。ほら、震えているじゃない。」

そう言い私はレイの腕に触れる。

「……あぁ、大丈夫。」

レイは今にも泣き出しそうな顔で、私を見る。

「……兄上、僕が邪魔ですか。そんなに嫌ですか?僕に会う度そうではありませんか。……僕は、兄の誕生パーティーに出席するのもいけないのですか?」

リンヴェルが、思い詰めた様に早口で話す。

……6歳と、8歳なのに、こんなに大きな闇をかかえている。

そう思えば、前世の私なんてすごくちっぽけなものだったのかもしれない。

「……ちがっ……俺は……」

『なになに?』

『忌み子よ!忌み子がなんでこんな所に……』

『何故忌み子が王子と王女に囲まれて話をしている』

『やだ、気味悪いわ。あの銀髪!』

『フィファナテ殿下もいるじゃないか。』

周りの人の声が聞こえる。


「……場所を変えましょうリンヴェル、レイ。

……ここでは、目立ち過ぎるわ。」

「……っあぁ。」

「……うん。」


「……それでは皆様、暫し私と殿下達は離脱させていただきますわ。すぐ戻って参りますので、皆様はパーティーをお楽しみ下さいませ。」






+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+





挨拶を済ませた後、私達は会場から離れたレイの部屋に来ている。


椅子に座り、私がお茶を入れてから、場所を変えたのは良いものの、何も話せていない。


「……兄上は、僕が嫌いですか」


リンヴェルが口を開く。

レイは驚いた様に体を揺らす。


「……俺は、お前が嫌いだ。」

レイが話す。

「……お前は、俺が努力して、たくさん努力して掴もうとしたものを、平気で掴んで行く。

父さんにもお前は愛されてる。俺は……愛されたかった。母さんはお前を産んでから気が狂って今は床に伏せている!父さんは俺より優秀なお前を愛してる!!俺は、お前が嫌いだ……」

レイは涙を流して話す。

それをリンヴェルは泣きそうな目で見つめる。

「……僕は、愛されたことなどありません。

僕は、この銀髪の髪のせいで皆から蔑まれています。兄上の思う通りではないのです。きっと父上は、僕より兄上を愛しています。」

「父さんは俺を愛してない!!皆優秀なお前を愛す。優秀じゃない馬鹿な俺はいつも大切なものを失う……」


「……部外者が首を突っ込むのはどうかと思いますが、少し言わせていただきます。…………あなた達、馬鹿ですか?」

2人はキョトンとしている。私は話を続ける。

「子供を愛さない父親なんて、大国の国王になんてなれません。ましてや、平等に愛せない者など……。レイ。周りをよく見て。貴方を愛する人はたくさんいる。……リンヴェル。髪のせいにしない。貴方の髪はとても綺麗よ。それを誇ればいいの。悪口を言う奴らなんて、私がとっちめるから。」

2人は真剣に聞いてくれた。……だが、最後の王女らしからぬ言葉で2人は笑った。つられて私も笑う。


とにかく、柄にもない言葉言って凄い恥ずかしかったけど!

2人が笑顔だから良いとしよう。


しかし……2人とも美少年よの……。睫毛なっが!!肌しっろ!もちもちそうだな……。

と考えた時には無意識にリンヴェルの頬を触っていた。

引っ張ったりつついてみたり……。

「……あの、フィア??なっ、なに?」

「肌が……吸い付く……」

暫く触っていたいなぁ、と思うくらいリンヴェルのほっぺはプニプニだった。


なんかリンヴェルのほっぺ触った瞬間レイが凄い言ってきたけどなんだったんだろう。

……全然聞いて無かった……。




+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


桜餅です。突然すみません。最初の方に色々詰め込みすぎて色々ごちゃごちゃかと思うので、これから少しゆるゆるになります( ˊᵕˋ ;)💦

少しずつシリアスとかも入れたりしたいです!

その他の攻略対象者なども召喚できたらな、と思いますので、これからも応援お願い致します( *ˊᵕˋ)

あと、私は文章を書く力がミジンコ程もないので色々分からないところもあると思いますが、良ければまた見てやって下さい( ˊᵕˋ ;)💦

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