No.4 悪役王女と危機と新たな出会い
「ど、どうしよう……。迷子になっちゃった……。」
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「ねぇメリア。私、街に行ってみたいわ。」
「なりません姫様。一見綺麗に見えても路地裏には薄汚い悪党共がいます。そんな輩に姫様が誘拐でもされたらどうするのです。」
「じゃあメリアが着いてくれば良いのよ。」
「ダメです。陛下の許可も必要ですし。」
「じゃあお父様に許可とりに行きましょう!」
「あ、ちょっ、姫様!?」
ダダダッとドレスで走り、お父様のいる書斎へ向かう。
「駄目だ。」
「なんで!?視察よ視察!こう言う経験も必要だわ!」
「でもな、わかってくれフィファナテ……。お前が拐われでもしたら……。」
「メリアも連れていくわ。ねぇ、お願い。パパ……?」
くらえ必殺!!上目遣い&パパ呼び!これが効かない親バカはいないわ!
「ヴッ……。でもな、フィファナテ……「だ・め?」しょうがない……日が暮れる前に帰ってくるなら、だ。勿論メリアも付けてな。」
「わーい!ありがとうお父様!」
「もうパパとは呼んでくれないのか……?」
最後になにか呟いていたが聞こえないフリをした。にしてもお父様ちょろい!!
侍女達が呟いていた街で話題のグルメ……。是非食べてみたいわ!!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「凄い……凄いわ!ねぇ、メリア!」
「そうですね。姫様。」
「ってメリア!私の事はフィアと言うように!」
「わかりました。フィア。」
「敬語もなし!」
「それは出来ません」
頑固だなぁ……と思いつつ、まず最初に話題のパンケーキを食べに行った。
「美味しかったわね!メリア!」
「そうですね。一生分のクリームを食べた気がします。」
「次はあれ、あれが食べたい!」
「はいはい。」
それから、牛串や、話題のドリンク等を堪能し、そろそろ日が暮れる時間に。
「そろそろ帰らねばなりませんよ姫様。」
「もうそんな時間!?!?わかったわよ……ってメリア!?あれ!?え!?どうしよう……メリアが行方不明だし、私は迷子になっちゃうし……。」
「よォ嬢ちゃん。随分と綺麗なお召し物だなァ。」
「へっ?あ、ありがとう、ございます……?」
……まずい。お礼なんて言ってる場合じゃない。
この人、多分ヤバいやつ……。取り敢えず、逃げないと……!
「それでは、私はこれでー…いっ…!?」
「まァお話しようぜ?嬢ちゃん。」
「離しっ、て!貴方と話すことなどなにもないわ!!」手を掴まれているのであまり身動きが取れない。精一杯暴れるが中々取れない。
こうなったら……奥の手だ!!
私は怪しい男の手を噛んだ。
「いってぇな……!このアマ……っ!」
「……こっち!早く!」
男が手を振りかざし、私を殴ろうとした瞬間、声が聞こえる。誰の声だろう。キラリと光る青みがかった銀髪が綺麗で見とれていると、ガシッと腕を掴まれ引っ張られる。男は追い掛けて来ようとするが、人が邪魔をする。なんとか撒いた様だ。
にしても、この美形な少年はなんだ。銀髪青眼でまさに可愛い。
「……ねぇ貴方の名前は?どうして私を助けてくれたの?」
「……リンヴェル。きみが、拐われそうだったから。あの人、多分悪い人。
きみの名前は?」
リンヴェル……?聞いた事、ある様な……それに、見た目もなんか見たことがある様な……ないような……?
「私は……フィア。宜しくね、リンヴェル。ねぇ、貴方のその髪、綺麗ね!触っても良いかしら!!」
「……えっ?」
「ど、どうしたの?」リンヴェルが驚いた様に此方を見ている。やっぱり変態だと思われた……?なんて心配になっていると
「フィア。きみ今僕のこの髪が、綺麗って言ったの?」
「えっ?ええ、綺麗な銀色の髪じゃない!もっと誇って良いと思うわ!」
「……ねぇフィア、きみってー……
「ひめさっ……フィア!早く帰りましょう!陛下……お父様に怒られますよ!!」
「げ、メリアだわ……。じゃあねリンヴェル!また会いましょう!!」そう言い残すと、私は急いでメリアの元へ向かい、帰ったのだった。
その後は、お父様にこっぴどく叱られた。
リンヴェルが最後になにか言おうとしてたけど……何だったんだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます