No.4 悪役王女と危機と新たな出会い


「ど、どうしよう……。迷子になっちゃった……。」





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「ねぇメリア。私、街に行ってみたいわ。」

「なりません姫様。一見綺麗に見えても路地裏には薄汚い悪党共がいます。そんな輩に姫様が誘拐でもされたらどうするのです。」

「じゃあメリアが着いてくれば良いのよ。」

「ダメです。陛下の許可も必要ですし。」

「じゃあお父様に許可とりに行きましょう!」

「あ、ちょっ、姫様!?」

ダダダッとドレスで走り、お父様のいる書斎へ向かう。


「駄目だ。」

「なんで!?視察よ視察!こう言う経験も必要だわ!」

「でもな、わかってくれフィファナテ……。お前が拐われでもしたら……。」

「メリアも連れていくわ。ねぇ、お願い。パパ……?」

くらえ必殺!!上目遣い&パパ呼び!これが効かない親バカはいないわ!

「ヴッ……。でもな、フィファナテ……「だ・め?」しょうがない……日が暮れる前に帰ってくるなら、だ。勿論メリアも付けてな。」

「わーい!ありがとうお父様!」

「もうパパとは呼んでくれないのか……?」


最後になにか呟いていたが聞こえないフリをした。にしてもお父様ちょろい!!

侍女達が呟いていた街で話題のグルメ……。是非食べてみたいわ!!




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「凄い……凄いわ!ねぇ、メリア!」

「そうですね。姫様。」

「ってメリア!私の事はフィアと言うように!」

「わかりました。フィア。」

「敬語もなし!」

「それは出来ません」

頑固だなぁ……と思いつつ、まず最初に話題のパンケーキを食べに行った。


「美味しかったわね!メリア!」

「そうですね。一生分のクリームを食べた気がします。」

「次はあれ、あれが食べたい!」

「はいはい。」


それから、牛串や、話題のドリンク等を堪能し、そろそろ日が暮れる時間に。

「そろそろ帰らねばなりませんよ姫様。」

「もうそんな時間!?!?わかったわよ……ってメリア!?あれ!?え!?どうしよう……メリアが行方不明だし、私は迷子になっちゃうし……。」

「よォ嬢ちゃん。随分と綺麗なお召し物だなァ。」

「へっ?あ、ありがとう、ございます……?」

……まずい。お礼なんて言ってる場合じゃない。

この人、多分ヤバいやつ……。取り敢えず、逃げないと……!

「それでは、私はこれでー…いっ…!?」

「まァお話しようぜ?嬢ちゃん。」

「離しっ、て!貴方と話すことなどなにもないわ!!」手を掴まれているのであまり身動きが取れない。精一杯暴れるが中々取れない。

こうなったら……奥の手だ!!

私は怪しい男の手を噛んだ。

「いってぇな……!このアマ……っ!」

「……こっち!早く!」

男が手を振りかざし、私を殴ろうとした瞬間、声が聞こえる。誰の声だろう。キラリと光る青みがかった銀髪が綺麗で見とれていると、ガシッと腕を掴まれ引っ張られる。男は追い掛けて来ようとするが、人が邪魔をする。なんとか撒いた様だ。

にしても、この美形な少年はなんだ。銀髪青眼でまさに可愛い。

「……ねぇ貴方の名前は?どうして私を助けてくれたの?」

「……リンヴェル。きみが、拐われそうだったから。あの人、多分悪い人。

きみの名前は?」

リンヴェル……?聞いた事、ある様な……それに、見た目もなんか見たことがある様な……ないような……?

「私は……フィア。宜しくね、リンヴェル。ねぇ、貴方のその髪、綺麗ね!触っても良いかしら!!」

「……えっ?」

「ど、どうしたの?」リンヴェルが驚いた様に此方を見ている。やっぱり変態だと思われた……?なんて心配になっていると

「フィア。きみ今僕のこの髪が、綺麗って言ったの?」

「えっ?ええ、綺麗な銀色の髪じゃない!もっと誇って良いと思うわ!」

「……ねぇフィア、きみってー……

「ひめさっ……フィア!早く帰りましょう!陛下……お父様に怒られますよ!!」

「げ、メリアだわ……。じゃあねリンヴェル!また会いましょう!!」そう言い残すと、私は急いでメリアの元へ向かい、帰ったのだった。



その後は、お父様にこっぴどく叱られた。

リンヴェルが最後になにか言おうとしてたけど……何だったんだろう?

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