第一章
伝統に新しい習慣が混じり合ってできた文化の一つに、『出逢いの春』がある。
春に出逢いを、夏に仲を深め、秋に
そんな習慣が根づいてから、春に若い男女が街中を
「──明日、見合いの練習相手の代理を頼まれてもらいたいのです」
元々は
(最初から本命とお見合いをしたら失敗するかもと心配したご両親が、ご子息のための練習相手がほしくて女官長に声をかけた……と)
どうやら相手はとんでもない名家の子息のようだ。
だからこそ良家の
先方の両親の過保護さに感心していたら、女官長からどうですかと返事を求められた。
「
わたしには無理ですといって断ることも可能だった。でも引き受けたのは、年頃の女性なら
──お見合いごっこだけでも、一度楽しめたら。
本当は紅琳が着る予定だったという服を女官長から受け取り、静かに退出する。
そのあと、仕事の合間に急ぎ準備をしていれば、あっという間に次の日となった。
紅琳の両親との待ち合わせ場所は、とある
「紅琳は後宮の女官として働いていまして……」
そう、茉莉花は
見合いの練習を頼んできたのは、白楼国の人間ならば誰でも知っているあの
黎家は武人一家で、禁軍の将軍となった者も多い名家中の名家。その黎家の跡取り息子である、
黎天河の見合い練習相手が紅琳ではなく代理の少女になってしまったなんてこと、あってはならないらしい。紅琳の両親から紅琳のふりを頼まれ、茉莉花は自分にできるのかと不安になったが、たった一度きりの練習相手だからいいだろうと開き直ることにした。
それでも『紅琳です』とうそをついた
「ええっと、天河
今、この場にいるのは、紅琳の両親と茉莉花、そして黎家の両親のみ。
見合い練習の主役である黎天河がなぜか一向に現れず、茉莉花たちはどうしたんだろうかと
「すみません、遅れました。はじめまして、黎天河です」
(……って、珍しいとか、珍しくないとかじゃなくて……!?)
本当はここで『燕紅琳です』と改めて名乗るべきところなのだが、茉莉花はあまりのことに頭が真っ白になってしまった。くちを半開きにしたまま、閉じることができない。
──見合い練習の相手は、黎家の跡取り息子で、武科挙試験に合格したあの黎天河。
たしかにそう聞いて、今日も黎家の両親から同じことを説明されていたのだが……。
(ちょっと待って……!? この方は……!)
自分がおかしいのだろうかと
茉莉花が助けを求めるようにおろおろとしていると、『黎天河』と眼が合った。
とても
「あとはお若い二人で……」
両家の両親からお決まりの文句が放たれ、茉莉花たちは店を出るようにと
事態についていけず
……いや、誰かではない。一人しかいない。
「紅琳さん、お茶でも飲みに行きましょうか」
『黎天河』が、間近でとても
茉莉花は胃がひやりとした。
彼にぐいぐい押されたら、歩き出すしかなかった。
何度も振り返って両家の夫婦に助けを求めたのだが、気づいてもらえない。
前を見ずに歩いていれば、当然人にぶつかりそうになる。転びかけたのだが、
「……ええっと、『茉莉花』ちゃん、だっけ? 後宮の女官の子だよね」
正しい名を呼ばれ、どうしてこの方に顔と名を知られているのかを不思議に思う。
その
「申し訳ありませんでした、
そう、『黎天河』の代わりに見合い練習へきたのは、白楼国の皇帝『
(一体、黎天河さまになにがあったの──……!?)
なんとなく、わかる気がしないでもない。黎天河は、武科挙試験の
だから、珀陽が見合い練習に現れた理由はきっと自分と同じだろう。つまり……。
「やっぱり茉莉花ちゃんも私に気づいていたんだ。もしかして私と同じ理由?」
「申し訳ありませんでした!」
皇帝の前では、許可がなければ顔を上げてはならない。身分が低ければ、
先ほどの紅琳の両親のように、珀陽を見ても正体に気づかないのは当たり前である。
(でも、わたしは後宮で何度か陛下の横顔を見る機会があったから……)
気づけてよかったとどっと冷や汗をかく。気づかずに
必死に頭を下げ続けていると、目立つから顔を上げてと珀陽から声をかけられた。
「天河が仕事で行けなくなったから、私が代理できたんだ。私はお見合いと
珀陽は、皇帝の
同じように『好奇心からの代理人』同士だけれど、方向性は完全に違った。
「紅琳さまが風邪で
三度目の謝罪に、珀陽はいいからいいからと笑い飛ばす。
「こちらこそ、黎家側からお願いしておきながら、当の本人が仕事で行けなくなったんだから。宮殿に戻ったあとは、私がこの一件を
どうやら珀陽は黎家を
助かった、と茉莉花はさらに深々と頭を下げた。
「あの、では、戻りましょうか……」
「なんで?」
心底不思議そうにしている珀陽に、茉莉花の方が不思議に思ってしまう。
「……いえ、互いに代理ならば、この先は必要ないかと……」
今日は黎天河のための見合い練習である。黎天河が燕紅琳をお茶に
茉莉花は見合い練習相手の代理で、珀陽も頼んでおきながら仕事でこられなくなった黎天河の代理だ。代理同士で練習を続ける必要はない。
「ああ、私の目的は天河の代理だけではないよ。お見合いが経験したくて、困っていた天河の両親に無茶なお願いをしてここにきたんだ。だから茉莉花ちゃん、最後はきちんと宮殿まで送るから、茉莉花と珀陽で改めてお見合いをしようか」
事情を知った珀陽は、代理や練習という
「困ります……! さすがに身分が……!」
「私は気にしないよ。あ、そこの看板を左に曲がろう」
どうか気を変えてくれと茉莉花は必死に
(相手はあの皇帝陛下……!! 今まで遠くから横顔を盗み見することしかできなかった方で、美しい妃さまたちが寵愛を競い合っている、あの皇帝陛下……!!)
きっと周囲からはよくある光景の一つにしか見えないだろう。けれど茉莉花の心臓は今にも
(ただの女官が皇帝陛下と言葉を
茉莉花の希望とは真逆に、珀陽は
「黎家も燕家も、互いに代理と気づかれないうちに……ってさっさと立ち上がってしまったからね。遅くなったけれど、自己
珀陽が店員から
「『黎天河』の自己紹介を用意してきたんだけれど、もう代理だって知っているから、
これが
しかし、この人は皇帝『珀陽』だ。『できないことはない』という特技も、でしょうねで終わってしまう。科挙試験も武科挙試験も合格してしまった本物の天才なのだから。
「え? 今の自己紹介って笑えない?
「……
茉莉花は晧茉莉花としての自己紹介をとっさにひねり出したのだが、とてもつまらないものになってしまった。これこそ、笑いどころがない。笑いをとろうという気持ちすら出せなくて、申し訳なさすぎる。
それでも天から才能ばかりを
とてもできた人だ。でもだからこそ今すぐ帰りたくてしかたなかった。
「茉莉花ちゃんって私の
「……ありがとうございます。まだ至らぬ身で、勉強しなければならないことばかりです」
茉莉花の官位は、
(この方が皇帝に選ばれた理由が、今とてもわかった気がする……)
後宮の妃が、珀陽の寵愛を競い合うのは、自分の家のためだ。けれど、なによりも珀陽が
「たしか、
半年前、後宮内で紅葉の宴という伝統行事を開くことになったのだが、宴の準備の仕方を記してある書簡を、とある女官が誤って燃やしてしまっていたという事件があった。
宴の手順や料理の内容、後宮内の飾りつけ等々、伝統行事だけあって細かく決められていたのだが、女官たちが必死に思い出しても、
茉莉花たち宮女にも覚えていることはないかという話が回ってきたため、去年経験していた茉莉花は、宴の準備について覚えていることを書き出し、女官に渡した。それが宴の準備の助けになったらしく、後日女官長から
「大したことはしていませんが、陛下の助けになるようにこれからも努力を……」
誰かの失敗を
「その『陛下』はやめよう。気づかれたら、叱られる」
表情に反して、頼みごとの内容はとても幼い。しかしあまりにも綺麗な顔なので、心臓に悪くてつい突き飛ばしそうになった。
「ですが」
「今は『珀陽』と呼んで」
「……珀陽さま」
さま付けとはいえ、名前なんて
「話を戻そうか。茉莉花ちゃんの特技の『物覚えがちょっといい』って、どれぐらい?」
「本当にちょっとです。特技がそれぐらいしか思い当たらなくて……」
急に恥ずかしくなって、うつむく。
いっそ特技はないと言いきってしまえばよかった。多才でありながらどれも
「ならこのあと……、ごめん、待って」
話の
どうしたのかと、茉莉花は珀陽の背中を視線で追う。
珀陽の目指す先には、布に包まれたものを大事そうに
「危ない! ひったくりだ!」
その言葉で、珀陽がなにをしようとしていたのかを、茉莉花もようやく理解できた。
包みを
直前に包みを抱えていた男へ警告を発したのは珀陽だ。ひったくりを
「どうした! なにがあった!?」
見回りの兵士が
「
兵士の確認に、被害者はうなった。
「え~っと、盗られた荷物は緑色の
「
「
とっさの出来事で、おまけに人通りが多いところなので、犯人の
茉莉花は助けた方がよさそうだと判断し、立ち上がった。
「兵士さん、わたしも見ていました」
兵士に声をかけ、一瞬だけはっきりと見た荷物と犯人の姿の特徴を、
「奪われた荷物はこのぐらいの大きさで、深みのある緑色の布にくるまれていました。布には
自分の手ぬぐいを出して、結び目をつくってみせる。
「犯人の身長は荷物の持ち主の方よりも
兵士は集まってきた仲間にこの証言を伝え、急いで捜せと走らせてくれた。
あとは兵士たちに任せるしかない。少しでも証言が役立ちますようにと茉莉花が思っていると、いつの間にか珀陽が真横にいて、こちらをじっと見ている。
「は、珀陽さま……?」
どうしたんだと視線で問うと、じっと瞳を
「茉莉花ちゃん、すごい
「あ……はい、物覚えはちょっといいので……」
この物覚えのよさのおかげで、紅葉の宴の事件のときも皆の役に立てた。
けれども、覚えるのが早いだけなのもたしかだ。この物覚えのよさは、茉莉花にとってちょっとだけ助かる特技という
「……ちょっと、ね。『ちょっと』って、どのぐらい?」
「ちょっとは、ちょっとです。たとえば、
この特技で期待を抱かせてしまうなんてこと、あってはいけない。自分の価値の低さを、丁寧に説明しておく。
「へぇ?」
なぜだろうか。珀陽は茉莉花の説明に
あの皇帝『珀陽』の
(そろそろ……お見合いを終わりにしましょうともちかけてもいいかな……?)
ひったくり
そうしようと茉莉花が決めたとき、兵士たちがわめいている男の腕を
「この男です! 俺の荷物を盗ったのは!」
被害者が叫べば、兵士たちはもう
違うと否定を続ける男は、服の色こそ違ったけれど、他の特徴はすべて茉莉花の証言と
「あれ? でも上着の色が……」
珀陽が兵士に確認すると、兵士は犯人の上着をぐっと?み上げて、裏地の色を見せた。
「ひっくり返しただけですよ。こういうとき、一番覚えられているのが上着の色ですからね。でもお
ご協力感謝しますと兵士から頭を下げられた茉莉花は、いえいえと微笑む。
荷物も質屋に入れる直前だったということで、無事に元の持ち主へと返されたらしい。あっという間の一件落着で本当によかった。
「茉莉花ちゃん、お
珀陽に褒められ、茉莉花はとんでもないと否定する。
「珀陽さまのおかげです。事件が起こったあとでは、よくて犯人のうしろ姿を見るのが精いっぱいだったでしょうから」
自分は犯人を見ただけ。それができたのも、珀陽が注意を
「そんなことないよ。犯人
肩を抱くという優しい道案内をまたされてしまった。実際は
「お待ちください、珀陽さま! 女官が皇帝陛下からの
「今の私は『黎天河』だよ。天河からの贈りものなら、問題ないはず。天河は禁軍の武官、さっきの茉莉花ちゃんの手柄を
なにがいいかなぁと言いながら、珀陽は本屋の前で立ち止まった。
少し前、木版印刷というものが発明されて以来、書物は一部の貴族だけでなく、
(あ、書物を読むのが好きって言ったから……? すごい、本当に
自分は珀陽のように、相手を当たり前のように尊重できるだろうか。自己紹介で教えてもらったことを覚え続ける自信はあるけれど、とっさに活用できるとは思えない。
──物覚えがいいだけではなにもならないのだと、改めて実感してしまう。
感心していると、気がついたら本屋の中に入っていた。
そしてうしろに立った珀陽によって、なぜか眼を手で
「珀陽さま……これはどういうことなのでしょうか……?」
街で若い男女がこんなことをしていたら、だーれだ、とじゃれて遊んでいる恋人同士にしか見えないだろう。
けれど、茉莉花の相手は皇帝だ。一般論で語ることはできない。
「まだ本棚を見てほしくない。このまま五歩……茉莉花ちゃんなら七歩。ゆっくり前へ」
よく見えなくて怖いから無理です、と珀陽に言えるはずがなかった。
自分の命が
「右を向いて、うん、もう少し……はい、止まって。首を少し上げて」
茉莉花も年頃の女の子だ。恋愛ごとに興味がないわけではない。
緊張でいっぱいいっぱいになって、あとでそのことを思い出して顔を覆いたい。
そんな恋を自分だって一度は……と思っていた。
(でも、皇帝陛下が相手では、いくら顔が素敵でも、ご立派なところをどれほど見せつけられても、いやなどきどきしかできない……!)
失礼なことをしてお叱りを受けようものなら、上司である女官長にも
遠くからこの麗しい横顔を見られたら満足……というぐらいの相手だったはずなのに、どこをどう間違えてこうなってしまったのか。
「私が合図したら、眼を開けて。ここにある書物の題字を、右から左に、上から下に見ていって覚える。見終わったら、声をかけて」
今の茉莉花は「はい」を言い続ける人形だ。
皇帝を
ここでもらう褒美は、黎天河にもらったつもりで、一生の宝にしよう。
「いくよ、はい、眼を開けて」
茉莉花は眼を開け、書物の題字を見ていく。右から左へ、上から下へと視線を動かし、順番に頭へ
「覚えた? もういい?」
「はい」
迷わず頷くと、珀陽はすごいな……と小さく
「もう一度眼を閉じて」
ひやりとした手に再び眼を
驚かせてごめんね、と珀陽は優しく言ってくれたが、茉莉花は妙に速い鼓動をなだめるために、胸に手を当てた。
「覚えてもらった書物の題字、右から順番に言っていって」
「はい」
まずは、と茉莉花は一番右の書物の題字を思い出す。
「
五つ目の書物までは、聞いているのかいないのか
「──、……
一度も
「……すごいね。本物だ」
「本物?」
「うん、たった今、見つけた」
甘いのにどこか
こんな視線にさらされたことは一度もなくて、喜ぶよりも先に
「ご褒美を決めたよ。女の子だし、
「えっ……!? いえ、でも、わたしは文字を読めるだけで学がなくて……」
「四書の内容は本当に簡単なものだ。科挙試験を目指すのなら、八歳までには必ず
「はあ……」
茉莉花が普段読んでいるのは、いわゆる
(でも八歳までの男の子が読むような書物だったら、わたしにも……)
これは珀陽からの、もっと学をつけて機転の
(女性に対する贈りものにしては、ちょっと、ね)
逆に四書なら受け取りやすい。高価な
「ちゃんと読んでおいて。あとで感想を
「はい。……素敵な贈りものをありがとうございます」
返礼は、きちんと読んで立派な女官になることだ。
今日一日、信じられないぐらい驚くことばかりだったけれど、最後の最後で丸く収まった気がする。
「またね、茉莉花ちゃん」
珀陽に宮殿まで送ってもらったあと、それはもう昔からの友人ですかという親しさで
夜、女官の仕事を終わらせた茉莉花は、
ようやく
──みんなの憧れを一身に集める皇帝と、お見合いのようなことをした。
自分は名もなき
「今のわたしは、これでいい」
皆のように名前のある主役級の役がほしかったときもある。でもほしがって
──茉莉花さん、
──覚えることだけできても、練習を重ねなければ上達できないんだからね。
わたしは、期待に応えようと思って練習したんです。でも覚える以外の特技をもたないから、すぐには上手くならないんです。
自分の限界は、自分が一番知っている。
現状に満足することで、今ある幸せをしっかり
皇帝が
「仁耀はどうだった?」
「悪い風邪をひいて寝こんでしまっただけのようです。やつれておりましたが、声がしっかりしていましたので、今すぐどうこうという容態ではないかと。……陛下、ご自分でお見舞いに行かなくてもよかったのですか?」
「ちょっとね。……まあ、私にも色々と」
仁耀は、先の皇帝の弟だ。珀陽と同じく、若いころに
かつて珀陽が皇籍を捨てようと考えたとき、真っ先に相談した相手が仁耀だ。仁耀は笑って背中を押してくれて、武科挙試験の
しかし、珀陽が皇帝に即位すると同時に、仁耀は世代交代をした方がいいと言い出して禁軍を
「そうそう、お見合い練習の件だけれど、私が代理を務めておいたよ」
天河は、出発前の珀陽の『あとは上手くやっておく』を、見合い練習の中止と延期の
「……ばれなかったのなら、まあ」
元々見合い練習に乗り気ではなかった天河は、一言でこの一件を終わらせようとする。
珀陽はにっこりと笑い、先に
「実は、私が代理ということを相手に気づかれてしまってね」
「ばれたんですか」
「でもなんと向こうも代理だったんだよ。きたのは
「それは互いに意味のないことをしましたね」
天河はきまりの悪い顔になる。正直に見合い練習へ行けなくなったと言っておけば、燕家が無理して代役を用意することはなかったはずだ。
「で、なんとひったくりの現場を二人で見てね。そこで茉莉花ちゃんが活躍してくれて、犯人を無事逮捕。私は黎天河として褒美を渡すことにした」
「はぁ、俺はかまいませんが、そこは陛下名義で
ただの武官からの褒美よりも、皇帝からの褒美の方が誰だって喜ぶ。
天河の
「茉莉花ちゃんが、ただの女官だから陛下からの下賜品は受け取れないって断ってきてさ。黎天河からってことにしたら
珀陽は組んだ手にあごを乗せ、ここではないどこかを見る。
「見つけたんだ、本物の天才かもしれない子を」
「……天才?」
「そう、
まるで恋をしているかのような、とろけるような声。
「──本当の天才なら、私は絶対手に入れる。どんな手を使ってでも」
珀陽には、時間があまりない。急がなければならない。
この国のために、多くの天才を集めておき、次の皇帝に
(『茉莉花』か。小さくて清らかな白い花。私が最初に見つけた。あれは私のものだ)
必ずその才を花開かせてみせる。
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