第2話「桃太郎鬼を縫う」
イヤ、鬼じゃなく鬼の服を
「ねえねえ、桃太郎服
チビの奴がワンピースの肩口を見せて来る
オレはこの
何せ虎皮だ新しく買おうにもワシントン条約が邪魔をする。
神社の
「なあチビこれ新しいの買わないか?虎皮は無理かもだけど可愛いリボンとかフリルとか付いた服とかあるんだぞ」
オレはチビにみすぼらしい服を着せたくはなかった。
「う~ん、でもねまだ縫えば着れるから」
「そう」
オレは何と無くの返事をする、チビはこの服に思い入れでも有ると何と無くの思ったからだ。
「おいチビ、これ糸通してくれ」
「解った」
オレはめんどくさい縫い物から逃れる為良くこの手を使った、チビも最初こそ大きな鬼の手で
「出来た!」
チビは仕事をやりきった顔で満足げだ
「早いな!」
オレは良い仕事をしやがるなと視線を送る
「エフェフェヘフヘヘ」
「妙な声で笑うな、そして半泣きは止めろ」
「グヘスン」
オレは未だにチビが何が楽しく何が悲しいのかが解らん、そもそも人とは違う感情で生きてるのかも知れんのであんまり考えない事にしている、しているのだが…
「なあチビ何でこの服にこだわるんだ?」
オレは少し気になったので何と無く聞いてみた。
「ちび、汚ない服キライ、でも一緒に縫ってるの好き!」
「はぁあっ!?」
つまり何か?オレは、いやオレ達は好きでもない小汚ない服を縫い続けてたのか?
「おいチビ、
「え、でも、でも」
「縫い物はな、こんな小汚ない服じゃなくても出来んだよ!」
オレはワシントン条約なんて知ったことかとばかりに虎皮のワンピースを神社の
「そっかーーーーーーーーーっ!!!」
チビの目から
「桃太郎、桃太郎、ちびフリフリのスカート欲しいアニメの変身する女の子が着てるみたいの奴!」
ちなみにチビのお気に入りは、ライオンの顔が大きくプリントされたTシャツとピンクのプリーツミニスカートだ。
鬼の気持ちは
この物語はフィクションです実在の桃太郎、鬼、ワシントン条約とは一切関係ありません。
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