第2話 二度目の婚約破棄……どころか婚約拒否!?


 しきに帰ると、祖父があわてた様子で私をむかえた。どうやら、私に客人が来ているようなのだ。全身あせまみれの私は、リュゼにお礼を言った後、最低限のたくを整えて客間へ向かった。

 部屋の中には見たことのあるしんと、ふてくされた顔の少年がすわっている。二人とも、きちんとした身なりをしていて、どこかきんちようしたおもちだ。

 紳士は祖父の友人で、みなみどなりにある領地のはくしやくの当主だった。隣といっても一日がかりの距離があるが、私が幼いころからたびたび屋敷に来ていたので知っている。隣にいる少年は連れてきたことがなく初めて見るが、十三歳になったはずのかれ息子むすこだろう。オレンジがかったきんぱつと、切れ長の緑色のひとみが紳士と同じである。

 急いで客人のもとをおとずれた私は、フゥフゥとあらい息をいていた。少し動くだけでも、ブリトニーの体には負担になる。

 祖父にうながされて席に着くが、ブリトニーのきよだいなおしりは、二人がけのながせんきよした。

「このたびは息子のリカルドが失礼な態度を取ってしまい、大変申し訳ありません……おそくにできた子で、私があまやかしてしまったのが原因です」

 私と祖父にひらあやまりしている紳士の態度で、私は彼がここに来た目的を察した。この紳士は、私にこんやくばなしを持ってきた相手なのだ。

 そして、一方的に婚約をした相手でもある。なぜそんな人物がいまさらと思わなくもないが、人のい祖父は友人を無下にできなかったのだろう。

(それにあの人、わいそうなくらい小さくなってあやまっているし)

 ところで、「息子が失礼な態度を」とは、一体どういうことなのだろうか。不思議に思っていると、紳士が話を続けた。

「おずかしいことですが。私が、今回の婚約破棄の話を知ったのは、昨日のことなのです」

 彼の話に、私は太い首をかしげる。

「実は半月前から、私は領地の視察や王都訪問で家を留守にしていまして。今回の婚約破棄の話は、その間に息子が無断で言い出したものなのです。ですから……」

(なるほど、婚約破棄は紳士の息子の独断だったのか)

 紳士は、婚約破棄をなかったことにしてほしいと、祖父にうつたえた。

「そうは言ってものう……ブリトニーは、今回の件でひどく傷ついて、食事ものどを通らないんだ。可哀想に」

 私は、少し気まずい気持ちで祖父を見た。

(お祖父様、それはちがいます。つうにダイエットを始めただけです……)

 彼は、孫が少食になった理由をかんちがいしているようだ。

「ブリトニーじよう……本当に、申し訳ありません」

 私に向かって深々と頭を下げる紳士が、さすがに可哀想になってきた。

「頭を上げてください。今回のこと、私は気にしていませんから」

 そう言って、にっこりと微笑ほほえむ。

 しかし、はたから見ればデブの不気味な笑いにしか見えないようで、彼はますますしゆくしてしまった。地味につらい……

「私のことはお構いなく。祖父とあなたとでお話ししてください。私は、二人の決定に従いますから」

 よいしょ、と重いしりを上げて客間から出る。婚約破棄された当事者がいない方が、話も進むだろう。それにしても……

(あの少年、よっぽど私との婚約がいやだったんだな。親の留守をねらって、婚約破棄のれんらくすくらいに)

 逆の立場で考えてみると、その気持ちもわかる。私だって、ちようぜつデブの(性格も悪いしたいしゆうもきつい)男と婚約させられそうになったら、きよしたい。家や立場を考えたら、実行に移せないだろうけれど。

「さて、どうなることやら……」

 少年が私の婚約者になってくれるのなら、リュゼの出した条件をクリアできる。それはそれで良し。だが、彼が断固拒否するパターンも考えるべきだろう。その線の方がのうこうだ。

 客間から解放された私は、リュゼに教えてもらった温泉を見に行くことにした。

 今の私はきようれつにおいを放っているので、あわよくばコッソリ温泉へ入ってしまおうという算段である。

 温泉のいている場所は、屋敷のしき内だという。が伯爵家の敷地は田舎いなかというだけあって広く、中に森や川やどうくつも存在するほどなので、温泉があってもおかしくない。

「フゥ、フゥ、フゥゥー」

 またしても大量の汗を流しながら、私は敷地の中をすすんだ。ランニングをしていた遊歩道の近くではなく、道かられて、さらにおくを目指している。

 リュゼから大まかな地図をもらっているのだが、それにしても少し遠い。そして暑い。

 普通の人間なら、ここまで苦労しなくても辿たどけるのだろうが、私は運動不足のしろぶた令嬢なのだ。

(くっ……馬に乗れればなあ。乗馬の練習をしようかなぁ)

 私は、フゥフゥと荒い息を吐きながら、かなりの時間をかけて温泉に辿り着いた。

 結論から言うと、温泉はある。あるにはあるが……

「何これ……」

 がんぺきの割れ目から、温泉らしきものが流れている。

 しかし、それを受け止めるがまなどあるはずもなく、温泉はそのまま地面を通って近くの川へ流れ込んでいた。温泉成分のせいか、川の水が変色している。

(この辺りの川の水は、だん使わないからいいけれど……温泉を流してしまうのはもつたいないな)

 温泉にさわってみると、温度はやや高めだが熱すぎることはなかった。源泉け流しが可能である。

(そういえば、屋敷からここへ来るまでに、がった小さな人工池があったな)

 それは、かつて祖父が「プール代わりに」と、私に作ってくれた浅い池だった。

 しかし、運動ぎらいなブリトニーは、ほとんどそこで遊んだことはない。今では水も干上がり、無用の長物となっている。

(この温泉を人工池まで引っ張って、人工池から川へ流れるようにすれば……可能かも)

 温泉から人工池までは近い。とはいえ、わずかながら水路は必要だ。

 私には水路を作る技術も知識もなく、土木知識や内政知識も、医学知識や事務能力も、料理技術もなにもない。

 あるのは、この世界のもととなっている少女まんのストーリー知識や、しゆの美容知識のみである。

(リュゼお兄様にたのむ他ないかな……いや、でも、お兄様は意外とシビアだし、私の道楽で水路を作るなんて許可してくれなそうだ)

 大がかりな作業にはならないだろうが、これはブリトニーのわがままでしかない。

「はぁ……」

 自分が無能すぎて嫌になる。ため息をついていると、ふと目の前にかげが差した。

「……ん?」

 顔を上げると、目の前にオレンジがかった金髪を持つ少年が立っている。私の元婚約相手で、一方的に婚約破棄をした伯爵家の息子。名前はたしか、リカルドだ。

 今はまだ子供だが、その顔はれいに整っており、将来有望な外見の持ち主である。

「……私に、何か用ですか?」

 伯爵家の建物からこの場所までは、片道五分程度かかる。そのきよをここまで歩いてきたということは、私に大事な用があるのだろう。

 あごと一体化している太い首をかしげてみる。

(うん、全くわいくないしぐさだろうな)

 オレンジ頭の元婚約者の顔も、みように引きつっている。

 わざとらしくせきばらいをした彼は、そのまま私の前で口を開いた。

おれは、不本意だ。父と伯爵が、再び勝手にお前との婚約を決めてしまった」

「……はあ、そうですか」

「お前のような女がよめに来ることなど、俺は認めない」

「私にそう言われましても……伯爵家のむすめに婚約に関する決定権はありません。そういうことは、私ではなく祖父に言ってくださらないと」



 ここまでけんを前面に出されると、逆にすがすがしい。そして、お子ちゃまだなあとも思う。前世の私に弟はいなかったが、いればこんな感じなのだろうか。

「くそ、なんで俺がこんな女と……」

 リカルド少年は、非常に正直な感想をつぶやいている。じっと観察していると、彼は緑色の瞳をこちらへ向けた。

「お前に、頼みたいことがある」

「なんでしょう?」

「伯爵に、婚約破棄したいと伝えてくれ。孫に甘いと評判の伯爵だから、お前の言葉なら聞くかもしれない。お前だって、自分を嫌っている相手との婚約はいやだろう?」

「なるほど、そうかもしれませんが……」

 だからといって、彼の言う通り、なおに祖父に婚約破棄を申し出るつもりはない。

 私が婚約すれば、この伯爵領は様々なおんけいを手に入れることができるのだから。

 白豚一ぴきと数々の恩恵──はかりにかけるまでもない。

(でも、この素直な少年は使えそう)

 私自身、こんな考えがかぶことがおどろきだった。他人を「使えそう」などと、今までの私は考えなかっただろう。これは、ブリトニーとして生きてきたえいきようかもしれない。

「確約はできませんが、祖父にってみましょう。しかし、条件があります」

「条件、だと……?」

「あなたにとって、難しいものではありません」

 元婚約者、いやまた婚約者になったらしいが、彼の領地は豊かだ。様々な作物が実る豊かなじように、すぐれた工芸品を生み出す進んだ技術。

 ハークス伯爵領とは違い、税収がっぽりウハウハな場所で、リュゼが実行したがっている水路の整備もかんぺきな領地。それが、おとなりのアスタール伯爵領なのである。

 彼にとって、多少の出費などいたくもかゆくもないだろう。

「……ここに水路を、引いてほしいのです」

「何を言っている?」

「婚約破棄する代わりに、ハークス伯爵領内に水路を引いてください」

「無茶を言うな! この領地全体の水路の整備だなんて、どれだけ手間と金がかかると思っている!」

 子供ながらに、婚約者は、しっかりした考えを持っているようだ。

 もともともとで言ってみたけれど、目先の利益に流され、あっさり条件を飲んではくれなかった。

(残念だけど……それなら、それでいいか)

 水路整備の大変さや、人件費を知っているということは、領地を経営していく上で有能だ。

「リカルド様、あなたは土木関連にくわしいのですか?」

「うちの領土は、よそよりも土木技術が発達している。領主の家に生まれた者として、最低限の知識は勉強しているが」

「なら、水路はあきらめますので、少しと手を貸してくださいませんか? この庭を少しだけいじりたいのですが、私には、そちらの知識がかいで。庭いじりごときで、使用人の手をわずらわせるというのも気が引けますし……」

「規模にもよるが。少しくらいなら、なんとかなるだろう。俺の手を煩わせるのは、気が引けないのか?」

「あら、婚約破棄とのこうかん条件でしょう?」

 私がそう言ってグフグフ笑うと、リカルドはあからさまに顔をしかめた。

 ブリトニーの笑いがみにくいのは認めよう。「うふふ」とれんに笑いたいけれど、三重顎のせいか「ぐふふ」にもれなくへんかんされてしまう。

「庭いじりの内容は簡単だと思います。こちらの岩から湧き出ている水を、来るちゆうにあった人工池へ流し、池にまってあふれた水が、近くの川へ向かうようにしてほしいのです」

「……それくらいなら、構わない。人手もかからないし、簡単にできるだろう」

「まあ、ありがとうございます。他にも色々お願いするかと思いますが、難しいらいはしませんので、よろしくお願いしますね」

 ちゃっかりと、他にも条件を付け足してみる。あっさり婚約破棄に応じてもらってあんしたのか、彼は庭の整備に協力的だった。

「祖父には、婚約破棄したいときちんと伝えておきます。最終判断は、祖父が下しますが……」

 希望を伝えたところで、祖父が承諾しなかったら婚約破棄にはならない。

(お祖父様に今日のことを伝えはするけれど、私の本心としては婚約をけいぞくしてほしいな)

 三年間で婚約できる相手を探さねばならないのだから、キープは多いにしたことはない。たとえそれが、デブのブリトニーを心から嫌悪している人物であっても。

 私と同い年の素直な少年は、ひとまずりゆういんが下がったらしい。温泉計画に乗り気になってくれた。

「それにしても、お前……ずっと思っていたのだが、あせくさいな」

「そうですね。今日は、よく動きましたので」

「俺は、不潔でたいな女は好かない」

「世の中の大半の男性は、そうだと思いますよ。私も、汗臭いデブは嫌いです……」

 ようしやなく私を責める少年だが、彼の口からつむぎ出される言葉は真実だ。

 私だって、リカルドの言うような人間は好きではない。ブリトニーなんてだいきらいだ。



 つりがきの絵の中の婚約者は、くろかみ巻き毛に大きな青い瞳を持つ、ほっそりとした美少女で、俺──リカルド・アスタールは、そんなかのじよに一目でこいをした。

 父に婚約者の存在を知らされたのは、俺が十三さいの誕生日をむかえた翌日のこと。

 最初はまどったものの、この少女が妻になるのならいいと思えるし、婚約者として指名されたこと自体が光栄だと感じた。

(姿絵だけでも、彼女の美しさとそうめいさ、性格の良さが伝わってくるようだ)

 令嬢の名前は、ブリトニー・ハークス。父の良き友人である、隣の領土のハークス伯爵のまごむすめ

 実際に彼女と結婚するのはだいぶ先になるけれど、俺は少しでも早くブリトニーに会いたかった。自分の目で直接彼女を見てみたかったのだ。

 だから──父にだまって婚約者に会いに行った。おそるべき現実が自分を待ち受けているとも知らずに。


 運のいいことに、その日、婚約者である令嬢は屋敷の外に出ていた。なぜ、俺が婚約者を判別できたかというと、使用人が彼女の名を呼んでいたからだ。

「ブリトニー様、こちらにテーブルと椅子を用意いたしました」

 屋敷のすぐ近くで、令嬢はピクニックをしているようだった。

 ちなみに、不法しんにゆうにならないよう、ハークス伯爵には、こっそり話を通してある。伯爵は、俺の行動を微笑ましく思ったようで、親身になって協力してくれた。

 そんなわけで、期待に胸をふくらませた俺は、木のかげからブリトニーたちのピクニックをのぞいていたのだが……

?うそだろう!? あれが本当に絵の中の彼女なのか!?)

 そこにいたのは、絵の中の少女とはまるで別人の白豚女だった。ちがいかと思ったが、彼女に呼びかけるメイドの声で、あのデブが婚約者だと確定せざるをえない。

 俺は、激しく絶望した。

(いや、待て。もしかすると……見た目は駄目だが、中身は天使のように清らかな令嬢なのかもしれない。伯爵も、そう言って孫を可愛がっている)

 ハークス伯爵の孫へのできあいぶりは、貴族の間で有名だった。彼はブリトニーを「天使のように可愛い孫だ」と言い回っている。

 しかし、次のしゆんかん、俺の耳はありえない言葉を拾ってしまった。

「あー、気がききませんわね! そこのメイド、あんたよ! このドブス!」

 ブリトニーは、自分の容姿をたなに上げて一人のメイドをしつせきしている。

(おいおい、ドブスはお前だろうが……)

 メイドの容姿は、いたってマトモだ。美人ではないが、太っていないし清潔感もある。

「こんなに少ないおで、お茶の時間を過ごせると思っていますの!? さっさと追加のお菓子を持ってきなさい! お祖父様に言いつけますわよ!」

「も、申し訳ありません! すぐに持ってまいります!」

 慌ててすメイドに足を引っかけて転ばし、グフグフと下品な声で笑う。

 ……俺の婚約者は、外見だけでなく中身までしゆうあくなようだ。

(嫌だ、あんなのとけつこんしたくない……!)

 家に帰った俺は、しんけんに父に訴えた。ブリトニーと婚約したくないと。

 しかし、父は聞く耳を持たなかった。友人であるハークス伯爵の娘との婚約を、それはもう喜んでいる。本当に絶望しかない……!

 そのことがあってから、俺は毎晩悪夢にうなされるようになった。夢の中にあの白豚が出てきて、俺を巨大な尻にきながらグフグフと笑っているのだ。

(婚約こわい、白豚怖い……)

 ブリトニーとの婚約は、俺の心に強烈なトラウマを残したのだった。

 それから間もなく、俺は父の留守を狙ってハークス伯爵に婚約破棄を申し出た。本当は、そんなことをしてはいけないとわかっているが、もうどうしようもなかったのだ。

 悪夢が続いてみんしようになって、体重が一週間で五キロも落ちた……このままでは、いずれはいじんになってしまう。

 しかし、すぐに事態が父に発覚し、俺は強制的にハークス伯爵家に連れて行かれてしまった。

 そこで、俺はまたきようのデブ、ブリトニーに出会う。やつは、相変わらず醜悪なつらがまえをしていた。しかも、なんだか非常に汗臭い。いいとこなしだな、この白豚。

 俺は無理やりブリトニーに謝らされた……くつじよくだ。

(このデブのことだ、きっとここぞとばかりに俺をののしり始めるだろうな)

 しかし、予想とは違い、しようわる令嬢は意外な言葉を吐いた。

「頭を上げてください。今回のこと、私は気にしていません」

 そう言って、ニヤリと微笑む。不気味だ……何をたくらんでいる?

「私のことはお構いなく。祖父とあなたとでお話ししてください。私は、二人の決定に従いますから」

 伯爵に全権を委ねたブリトニーは、きびすかえしてさっさと部屋を出て行く。

 結局父と伯爵は、あっさり婚約破棄はなかったことにしようと決めてしまった。

(このままでは、あのデブと婚約させられてしまう……それだけはしなければ)

 伯爵との話が一段落したので、俺はブリトニーの後を追った。

 ハークス伯爵家の庭は広く、葉を赤く染めた木々の間を、リスがはしけていく。

 しばらく進むと、岩場の前に一人で突っ立っているブリトニーを発見した。

(あんなところで、何をやっているんだ?)

 疑問に思いつつ近寄ると、彼女の体からっぱい体臭がむわんとにおった。伯爵令嬢として……いや、女として終わっている。

 俺の気配に気づいたブリトニーが、太い首を体ごと回転させてこちらを見た。

「……私に、何か用ですか?」

 言いたいことは山ほどある。俺はおもいのたけを口に出し、全てデブ伯爵令嬢にぶつけた。

 しかし、相手は見た目通りきもわっているようで、冷静に返事をするだけだった。逆上されるかと思ったが、その心配はなかったらしい。婚約破棄したいと告げ、彼女から伯爵に断りを入れてもらうよう頼むと、あっさり承諾した。

「確約はできませんが、祖父に掛け合ってみましょう。しかし、条件があります」

「条件、だと……!?」

「あなたにとって、難しいものではありません」

 そこで彼女に出された条件は、伯爵家の敷地内に湧き出ている温泉を人工池に流し込みたいというものだった。伯爵領に水路を……と言われた時は引いたが、庭いじりレベルの作業なら人出も経費も少しで済む。

 他にも時々頼み事をしたいと言われたが、この程度のことで婚約破棄ができるのなら、聞いてやってもいいだろう。

 俺は、ブリトニーの話に乗った。このデブ、意外と話のわかる奴だ。

「それにしても、お前……ずっと思っていたのだが、汗臭いな」

 っぱい匂いにまんの限界がきた俺は、つい正直な感想をこぼしてしまった。

「そうですね。今日は、よく動きましたので」

「俺は、不潔で怠惰な女は好かない」

「世の中の大半の男性は、そうだと思いますよ。私も、汗臭いデブは嫌いです……」

 なら、どうして?せる努力をしないのか。体をしようしゆうしないのか。

 俺は、口先だけで行動がともなわない人間が大嫌いだ。やはり、ブリトニーとはあいれないあいだがららしい。


ブリトニーの体重、八十キロ

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