第45話 2つの聖バレンタインデー

俺は何食わぬ顔でリビングに戻った。


「あ、あっ、は、早かったね。」

┣¨キ┣¨キ*

「うん、┣¨‡┣¨‡」

「あ、ああ、そうだ今日は鍋だよ。

すぐたべる?ビール飲む?」


「それより穂花 、俺に何か話あるんじ ゃな い?ドキドキ」


「あ、ハハハ、ない無い!┣“キ

┣“キ」


「あるだろ、話せ‼」


ピンポンピンポンピンポン

ピンポンピンポンピンポン


「エッ‼ダレ!怖い?」

「早く話せ‼」

ピンポンピンポンピンポン

ピンポンピンポンピンポン

「だっ、だれ!」

「誰でもいいだろ、大事な話あんだ

ろ?」


「えっと、」

ピンポンピンポンピンポン

ピンポンピンポンピンポン


ピタッ


「ご・・・メン。赤ちゃん出来た。

クスンクスン嫌だよね、わかってる

でも産みたい!蒼太の子供。」



穂花ハァー

「俺の子だぞ、

何で嫌なんだよ。

嬉しいよ、ありがとう。」



「蒼太ウエーンウウウー

さすがー医者ドン‼ 良く分かったね

ー」

グスングスン

立ち聞きしたとは言えなかった

医者だから気づいたの方がプライドが・・・

「穂花、ジーさん、バーさんが来てる んだ 開けてもいいか?」


「ぇぇーえΣ(゚д゚;)あのピンポン

ピンポンは先生?奥様?

ま、まじでー。」


「奥様?ババアのまちがいだろ。」


蒼太はケラケラ笑いながら穂花を

抱きしめた。


べそかいてた、穂花は

カチンカチンいっのまにか冷凍海老

のように動かない!緊張していた。


ドアを開けるとド派手な服に身を包んだレディーガ〇似の母親が

レモンを袋いっぱい下げていた。


後ろから親父が

100%果物ジュースを抱えてきた。


「今バーさんとはなしたんだが

いや、ゴメン。美代

まさかと思うけど、穂花くんとまさか?」


「え・・・私、はい。」

穂花は申し訳なさそうにカチンコチンしながら美代と、航大を見て言った。


「私バッイチなんです。

すみません。気にいりませんよね。

先生、奥様、子供は産みます。

ご迷惑はかけません。

蒼太さんにも迷惑はおかけしません

から産ませて下さい。」

と頭をさげた。


「な━━━━にを言っている。

初孫なんですよ。

急いで結納しましょう。

御両親の都合聞いて行きましょう。

私達は即OKよ。

あ、お腹すいたわね。

まあ、お鍋ね。おいしそー。」


鍋の匂いが家族を包む、新しい

穂花の家族だ。


「穂花さん今から大変よ

お式はどうするの?

ŧ‹”ŧ‹”蒼太と話合いなさい よ。ŧ‹”ŧ‹”

美味しいわねー!お店で食べてるみた♪ い。ウフ

式の費用は私達に出させて

ほーんとに嬉しいわぁ」


が、穂花のバレンタインの出来事

だった。




慶一道は朝からソワソワ

大仏部長がチョコを手渡して来た。


「こっこれは?」


「旦那のデパートで買ったギリチョコ ですよ。」


「あ、これ・・・だけ!?」


「だけ!?・・・?」

「失礼な‼ 何が欲しかったんです?」

「あ、いやチョコなんだ・・・けど。」


「あー本命チョコなら二階に副社長用 はもうダンボール三箱溜まってまし たよ。まだまだ増えますよ。」


「いや、その・・・そういう事じゃなく

て、部長の娘さん達からはない・・・の

かなとか・・・。」


「あーああの子達、作ってましたよ。

家の子、料理だけは上手いんです。

職場にばらまくんですけどね

今年コソは彼氏釣れないかしら)))アハハハ」


「エッ、それは止めたが良くない。」


「実は上の娘、婚活するらしいんですよ。もう26だし、26でお嫁にいきた ーい

とか今朝も叫んでて

ま、とりあえずチヨコばらまいとけ ーみたいなハッハッハッハハッハッハッハ!!」

大仏部長の高らかな笑いのファンフ ァーレ は社内の男達も聞いてい

た。


「部長の娘、ブス?」


「いや、めっちゃ可愛いらしいよ。」

「へぇ、今度紹介してもらおー」

「いやいや、超美人だって」


そんな噂話を聞いたら、じっとしていられない。尻が浮き上がりそうだ。


「陽和は俺の彼女だ‼ 手を出すな‼」


叫びたいが叫べない。

陽和の、あの時の怒りはまだ

収まっていない。

彼氏とは認めてくれていない。

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