第42話 ジオン来日

毎日電話をするが陽和は出ない。

ラインもするけど既読無視。

七草も終わった頃、撮影が始まる

今日ジオンが来日する。週刊誌メディアは、俺に張り付いていて、

陽和にも会いにいけない。


幹部を揃え出迎える事を伝えたが、

ジオンは俺の出迎えをのぞんでいると、先方から申し出があった。



勿論宣伝効果は、バツグンだと思う。

撮影にも支障が出ないとも限らず

渋々準備をする。


〃又陽和に誤解される〃


いい知恵は無いかと模索するが、

自業自得と言えばその通り。


世間的にはジオンの恋人として

認識されてしまっている。


飛行機から

降り立ったジオンを待ち構える

メディアのあまりの人数に空港は、

大パニック

ジオンの来日は公表していないのに

何処から漏れたのだろう。

呆気にとられる慶一道に

ジオンが飛びついた。


「Wanted to meet」

会いたかった。


「I Wanted to meet after

a Iong time。」

久しぶり、俺も会いたかった。


パシャパシャパシャとシャッター音が響きカメラの眩しい光が2人を写しだした。


「ヤッパリ会いたかったのかよ。」

慶一道の声に陽和は項垂れ

記者の中に紛れ混んだ陽和は

ガックリと呟いた。

母親が出迎え の為、車で空港まで

付き合う羽目になった

嫌だったが母親の権力で、

付き合う羽目になった、

これから食事会らしいし、

お酒も出るから母親は運転出来ない。だから陽和のアッシーな出番。


その日、夜遅く母親は

疲れ果て帰ってきた。

お風呂も入らず即効ソファに座るなり寝てしまった。


慶一道とジオンの事を聞こうと

思っていたがこれじゃあ無理だ。


母親のくたびれた顔が

四十代の年相応にみえる。

いつもは三十代前半に化けて見えるのに余程ジオンはオーキッドにとって重要な人物らしい。



次の日

「う﹏頭痛い。鎮痛剤ある?」

恋子はコメカミを押さえてフラフラ

「ママ、飲みすぎ、どーしたの?」

呑気に冷蔵庫から鎮痛剤と、

ミネラルウォーターを差し出す。

昨日の事を何となく聞いてみる。



「ジオンは、どうだった?ふく、副社 長の恋人なんでしょう。」


「ああ・・・ね。」

そう言ったきり

ポイッと鎮痛剤を口に放り込み、

ごくごくごくと ミネラルウォーターで流し込む!


「死んだー。」


と又バタッと寝てしまった。

ウップ、ハー

「ああ・・・ね だけ?」

暫くぶっ倒れた母の姿を上から眺め

「今日は聞くのやめとこ‼」

と陽和は呟いた。






ジオンが来日した今日、

陽和の誤解が恐ろしかった為、

控えめにすまそうと空港の出迎えは

端の方にいた。

しかしジオンが目ざとく見つけ

向こうからダッシュして来て飛びついた。


メディアのフラッシュを浴び顔で笑って・・・

〃〃アーヤベー‼終わったー┯_┯〃

と心は泣いた。

テレビも来てるし、この瞬間を映さないわけなかろう﹏w。

当然陽和も見るだろう。


タラタラ流れる冷や汗をフキフキ

撮影現場は沖縄、

明日クルーを連れて出発の為

空港近くのホテルに予約していた。


大仏部長にも付き合わせた。

身の潔白を証明するのに最適な人材。

俺は仕事があるといい、

大仏部長にジオンの事をお願いした。


最初はつまんなそうしていたジオンも大仏部長の人柄を好きになり、

料亭、オカマBARを楽しんだようだ。

最後には、旅の疲れも出たのか

ジオンは日付をまたがず眠ったらしい。


次の日、朝早くホテルに着いた。


メディアにはバレ無いように

裏口から入る

ジオンと食事をとる為

彼女に電話して

ジオンを呼びだし待っていると



フロントに沢山の人がいて、脳梗塞

を起こした患者が寝かされていた。

そしてそこには偶然、

視察に行くため前の日から

宿泊していた武蔵野先生(蒼太の父)がいた。


と暫くすると陽和がひょっこり現れて、ジオンと並んでいる所を見られてしまった。

ΣΘДΘ; *~●

「あ、ち、ちが、ちが・・・・・・ぅ。」

ジオンは青くなった俺を見て


「どうしたの?」


的な顔をして俺の腕にベッタリと

張り付いていた。


陽和は気にもしない態度を取り

救急隊と話をして、

冷たい笑いを俺に向け去って行った。


「もしかして‼」

嫌な予感とゆうものは良くあたる。

沖縄行きの飛行機、あろう事か

一緒だった。


席は離れていたが・・・。

先生は見て見ぬ振りをしていたが、

あまりジオンが

ベタベタしてくるのが分かったんだろう。


「んーんっんんん!」

と武蔵野父が咳払いをしてくる。



ドキドキ、バクバクな、

アトラクションの様な半端ない鼓動。


後ろをチラチラ 。

・・・・・・ ¯ ¨̯ ¯ ←陽和の突き刺すような目線。

針のむしろとは良く言ったものだ。


空港では、話す暇も無く

バタバタバタと撮影現場に直行した。



ホッとした間もなく

新人の相手役が現れず遅刻して

飛行機に、乗り遅れたらしいと

事務所から連絡が入った。


そしたらジオンが

is not there kiichidu

he is good

慶一道がいるじゃない。

彼がいい。



そう言ったから万丈一致で即決した。

そうなると仕事の調整がいるが

仕方がない。

パソコンを持ち込んでホテルで仕事だ。



高級感を出すため、

黒のタキシードを着る、

ジオンは紅のドレスを着て

髪はカールさせまるで、

パリのマドモアゼル。

赤黒い化粧がジオンの魅力を引き出している。


撮影現場を覗きに来た陽和は、

「別に沖縄まで来る意味なくない!

海で撮れよ?」と呟いた。































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