第40話 慶一道に、惑わされるナ。

あの事があってから慶一道は陽和に、毎日ライ〇で、連絡してくる。

大抵一日あった事とか何をしたとか

・・・最後には必ず


〃大好きだよ。〃と付け加えてある。



しんしんと降る雪は

暖かい窓から見ていると、

本当にロマンチック。


優しい彼がサンタになって

現れないかな?と思った0:00


この辺では見られない

高級車が現れた。

LINEがピカピカ光る。


Xmasメドレーに合わせて、

狼のサンタが羊の家にプレゼントを

届ける可愛らしい動画が

送られて来た。


꙳★*゚꙳★*゚星空の中を列を作り走

るトナカイ、その後ろを

サンタ狼がソリに乗って

Sの字を描いて緩やかに走る。

ロマンチックなXmasソングが流れ


アップの狼が、口パクで

“大好きだよ、陽和“

舌をペロンと出して見つめる。


トナカイの群れが走りながら

終わるシーンに雪が降る。

ロマンチックな曲が

メドレーで流れる。陽和の好きな

鈴の音と一緒に・・・


動画が終わると慶一道が車から降り

陽和を見ていた。


私達は暫く上と下から見つめあった。

すると彼はシンビジウムの花束を

抱えて玄関へと向かい、

すぐ戻って軽く手をあげると、

車に乗り込み又車から顔を出して

手を振り帰って行った。


静かな夜

雪の落ちる音さえ聞こえて来そう。



玄関を開けると

黄色とワインカラーの

花束の中には四角い箱が

綺麗な 包装を

されて入っていた。


微かに香るオードパルファム

雅楽代慶一道の香り・・・


そんなクリスマスも平穏にすみ、

単純にケーキを焼いて食べる、

ピピとララにプレゼントを送る。


家族同士のプレゼントは無いってか、

夫婦はどっか行っちゃうし、

陽菜は彼氏とふたりの

クリスマスデートを満喫したみたい。


「やはり彼氏は必要か?」


ぴぴとララの子守りを私におしつけていなくなる薄情な家族。

婚活サイトを開いて見る、

やはりサイトは恐い気がする。


マッ〇〇グアプリ、これは大丈夫か?

最近よく耳にする。

登録しょうと思った時

つい、慶一道の事を考えてしまう。


〃いやいやいや、

彼にはジオンと言う存在がある。

逆立ちしても彼女には及ばない。〃



「お見合いでも、しょうかなぁ

もう26だし、適齢期だよね。

きっと何処かに私の旦那様がいる

よ。

早く、向かえに来てくれないかな

ぁ。」


つい夢物語を、ゆめみてしまう。

あー、昔から思ってた。

凛々しい姿で、家の玄関を開き

100本の薔薇の花をかかえ、

飛び込んで来る。

シンデレラを探すように

抱えた硝子の靴ウッハー

眩しい光がビャーンと刺し


ピッカーンと光る白い歯


アアー早く会いたーい。

思わず、抱きついたピピが

白目をむきギャンギャンほえてくる。

気を取り直して散歩でも行くか‼


ピピとララにコートを着せ、

少し肌寒い公園へと足を延ばす。

夕暮れの公園の長椅子に座り

ボールをなげる。

茶色くなった芝の上をピピもララも

走り回っていた。


ピューピューと風邪は

陽和の頬を冷たく撫でるように

通り過ぎていく。


こんな日はあの暑くて

たまらない猛暑が暑さと冬の寒さを

半分け合えば、

丁度いいのにと思ってしまう。


あの暑い夏に帰れたら

慶一道との関係を、

上手く修正できるだろうか?


あのマンションで食べた

モナカアイス

あの時慶一道はどんな顔を

していたんだろう。


あれから、慶一道とは会っていない。

ってか、会わない。


口では大好きだよ。

っていうけど1月来日する

ジオンの事で頭がいっぱいだと思う。

だから会わない。


自分が慶一道を又好きになったら

又傷ついてしまう。


今度同じ繰り返しになれば、

本当におかしくなってしまいそうだ。

「君子危うきに近寄らず。」


「くわばら、くわばら。」


副社長は部長である母親には

何も話した様子はない。

母に心配かけても何もならない。

このまま、静かに終わる事が

今の願いだ。


クリスマスが過ぎ大晦日の朝だった。

慶一道から電話がなった。


「今日、いや、夜一緒に初詣いかない か?」


「私と?」

思いも寄らない慶一道の誘いに

迷ってしま う。


「うん。迎えに行く!」


「えー、行かないよ!ヤダヨー」


会いたく無いし会っても話す事もない。


「何で?なんでヤなのサ」


「だって、あんたジオンの彼氏じゃん 何で人の彼氏と、初詣行くんじやー

馬鹿じゃー‼」


《《俺の彼女はジオンじゃねー

よ、》》》

〃 お前だよ。〃


「ん?いっも調子いい事いって

ぇ〜。」


「とにかく、迎えに行く、嫌なら

駅でまつよ。来ないなら家に迎えに

行 く。」



「じゃあ0:00駅前な」

「え、あえ、おーい、待てー‼」

ブチッ


怪しむ家族に嘘ついて

何とか家を出た

あの慶一道の事だ

本当に乗り込んで来そう。


駅の入口で黒のウールの

ロングコートを着た

イケメンな慶一道を発見。

彼は陽和を見ると嬉しそうな顔をした。


一瞬 ⸝⸝⸝ポッ⸝⸝⸝ となりそうだったから

気を引き締め、折角、顔を忘れた

苦労が台無しと自分に言い聞かせる。


「何か食べて来た?」


「うん。年越しそば食べたけど屋台

出てるかな?イカ焼きとか、たこ焼きとか、食べたい。」


「よし。」


お宮の境内に着くと参道にかけて

長い行列があった。



「もう、仲直りした?

武蔵野蒼太先生

と?」


少し気になっていたから聞いてみた。


「うん。許せなかったけどヤッパリ

兄弟の様な中だからね。」


「武蔵野先生だけが悪くないよ。

私は誕生日ちゃんと伝えたから、

信じなかったのは慶一道も悪いと

思う よ。


それにジオンさんとヤれたんだし、

いい時間を過ごしたんだから

良かったんじゃない?」


「えっと?そういう事はしっかり覚え てんの な‼。」


「そりゃそうだよ。前の私可哀想過

ぎるあんたみたいな、野郎の何処に

惚れたんだか?

いっからアンタの顔忘れたか、忘れ た。アハハハハ」


「そーか?

じゃまた、口説くしかないな。

俺はジオンじゃなくて陽和が好き

だ。」


⸝⸝⸝ポッ⸝⸝⸝ ♡︎♡︎

ぶふっぶふっ!

顔をブルブル振りながら

〃〃いかん、いかん、又惚れそう。

好き好き連呼されるとそんな気がし

てくる この人種の人間の好き、大好き、愛してるは、挨拶〃〃﹏‼W」



忘れちゃいけない!

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