第32話 誕生日の決心

陽和は悩んでいた。

自分が子供?・・・なのか?

仕事としての付き合いは、

仕方ないのか?


1、仕事上の付き合いなら仕方ない

2、仕事なら何やってもいいのか?

3、見ない、聞かない、知らない


う〜ん。


ただ 武蔵野蒼太 アイツが陽和の、

7人の敵の一人とだけは分かっ。

LIN〇もブロックしょうと思ったが、

ちくいち報告してくるのは有難いかも・・・

このまま様子を見る事にした。



慶一道のブロックを解除した


直ぐにLIN〇が来た。

慶一道

寂しい、寂しい、寂しい


既読

プハハ、なにかのコント?

先月丸一ヶ月あってませんが

寂しいなんて一回もライン

来ませんでしたーが?


慶一道


ひ、ひより〜

陽和が離れたと思ったら

寂しいんだ。



既読

ふーん。

言わないで置こうと思ったけど

12月21日、26歳の誕生日なんだー


慶一道

「え、・・・・・・・・・21日?」


既読

うん。21日。12がーつう、21日。


慶一道

「・・・・・・・・・そ、そう・・・なんだー」


既読

誕生日の前の日から一緒に居て、

一日中デートして夜は、

夜景のきれーなレストランで食事、

一輪の薔薇の花のプレゼントでも

あれば

サイコーでぇーす。


慶一道

あ、ああ、ああ・・・ね。


・・・・・・ね。


既読

うん。


それから、その日のラインは返って

来なかった。お互いこれで終われる。


慶一道は前の日、20日から

リ、ジオンと契約を結ぶ、

それがどう言う事か

子供じゃないから分かる。


一晩スイートで二人っきりですごす。

それからホテルのオープンに

リ、ジオンと花をそえる。


夜はパーツと同窓会兼ねたパーティ


リ、ジオンを取るか

陽和をとるかの、選択を慶一道に

つきつけた。


人生の別れ道は誰にもある。

慶一道が、ジオンを取るなら、

終わりだ‼


勝負は、見えているが、

陽和を好きだと言い張る慶一道に

目を覚まさせる、いい機会だ‼

リ、ジオンか、陽和か選ぶのは慶一道。



次の日 陽和は佳代さんに相談していた。


「あーーあのモデルの、へー

慶一道さん凄いワ、あのモデルと契 約取れるなら一晩くらい、

って 男なら誰だって思うわよ、

ジオンだってまんざら

じゃないん じゃない?の

あのルックスに高スペだもん。


ずーっと断ってたのに慶一道さんが

交渉に いったらスンナリなんてね。

彼女もいろいろ、噂あるからねー

許したら取られかねないわよ。」


「です、だから誕生日って言ったんで す彼もそれなら、お泊まりは辞めて くれると 思って。」


「あ、へ?誕生日🎉そうか!

もうそんな時期かー

おめでとう陽和。」

へえ~とした顔をして佳代さんは

笑った。


「妹も私と誕生日近いんですよ。」


「へぇー、いつ?」


「誕生日は12月23日なんです。」


「へー、本当に、じゃあ12月21日に、一緒に済ませばいいのに。」


その話を聞いていたのは佳代さんだけたじゃなかった。


白衣に身を包んだ蒼太がドアの後ろで聞いていた。


21日の事をきゃあきゃあ言う

2人の話を、蒼太は陽菜と陽和の

誕生日の事だと知らず、

誤解して聞いていた。

途中から聞いたのだから仕方がない・・・

陽和の誕生日が23日だと聞こえていた陽和に陽菜と言う妹がいるなど知るはずもない。





慶一道はジオンの事務所と

交渉していた。

日にちを伸ばしてくれないかと、


モデルの抜粋は慶一道が決めた。

前からジオンには目を付けていて、

彼女がオーキッドのモデルなら、

売り上げは大幅にUPするだろう。



項垂れて右手で顔を覆い副社長の、

座り心地の良さそうな椅子に

ドッターンとぶっ倒れている。


重役が交渉に走り、ダメだったから慶一道が直に交渉し、

やっとの思いでOKを勝ちとった。


やっとだ、なのに放り出さねば

ならない。


何とかいい方法は無いかと

頭を悩ませていた。午後6時



コンコンコン、ドアをノックする音に

「どーーぞ‼」

重ったらしい返事をする。


「どした、どしたァー

天下の慶一道ともあろう男がー‼

しっかりしろ‼」

勢い良く蒼太が現れる。


「はあーっ、」


「なんだよー慶一道、あ‼それより

友樹のホテルのオープン、ジオン連

れて来 るんだろ‼めっちゃ楽しみにし てるぞ報道陣も驚くサプライズだハハ ハ」


「あ‼ それ無理っポ」

項垂れた顔を上げ慶一道は口を尖らせて蒼太に言った。


「ええっ、何でだよ。

友樹の門出だぞ、助けてやれよ。」


幼稚園から大学の仲なんだぞ、

何言っている。」


蒼太は怒りを露わにして怒鳴りつけた。


「勿論金銭面じゃサポートするよ。

しかし、今度は無理なんだよ﹏‼」

慶一道は椅子をくるりと回して蒼太に呟いた。


「陽和?か?」


「おい、人の彼女、お試し期間だけど、 呼び捨てすな〜‼」


「お前なー‼

騙されてるぞ、彼女誕生日が21日っ て言 ったんだろ!

違うからな!アイツの誕生日23日だ鷹斗の嫁ときゃあきゃあ言って話し てるの聞いたんだよ。」


「いつ?聞いた?」


「今日診察室で、親父に用があったから、たまたま聞いたんだ、

21日に済ましちゃうってな。 ‼」


「嘘つけ、陽和はそんな事しないから、俺に嘘は付かない!」

慶一道も椅子から体を起こして

口調を強めて言った。


「じゃあ、本人に聞いて見ろよ。」


「笑いながら話してたぞ‼

27年連れ添った俺の話が信じられな

いの か?


彼女な、ジオンとお前が一緒に

仕事するの嫌がってたみたいだぞ‼

違うか?」

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