第31話 おでん。

「たっだいまー

おー、おでんか?美味しそー。」


「お帰りー早かったね。

パパまだだよ。」

おでんの匂いが玄関迄届いたのだろう、オデン🍢オデン🍢と小走りで

キッチンへ駆け込む母


ママは急に鍋を覗くと、

〃ウワーイ、〃

元気な声をだした。


「ママ、手」

「ハイハイ、」

そう言うとママはバックを放り

投げ、洗面所へと消えていった。


ママが席に付く頃パパが、帰って来た。

パパより早いママの帰還に

「おっ‼どうした?早いな!」

と声をかけてパパは、

洗面所へと消えた。


ビールを注ぎながらコップを回す

妹の陽菜も風呂から上がったのだろドライヤーの音がする。


暫くするとパジャマ姿の陽菜が、

お腹空いたと呪文のように

唱えながら現れる。

食卓にデーンと土鍋が場所をとる。

全員揃っての夕食は久しぶり。


「ママ、どうしたの?

早いじゃん。」


ひながタコの串刺し

にガブリとかぶりつき、ごはーんと

お茶碗をさしだしてくる。


「自分でやれ」

陽和は、ブッブッ言いながらも

お茶碗を受けとる。

「今日はね、副社長が彼女に振られたらしくてね、ぶっ倒れたの‼」


・∵ブフッ!!

陽和はお茶を吹き出しそうになり

「大丈夫、陽和」

息を止めたら鼻の中に逆流して、

ゲホッゲホッゲホッ


「あ〜ん、鼻がいた〜い。」

と涙をとばした。


「で‼ぶっ倒れた副社長どーなった?

何でフラれたの?」

陽菜が興味本意で聞いてきた。

おかわりー

「だから自分で╮๑ヤレ。」


ママは、ビールをパパに注ぎながら

「先々週だったかなぁ、

外国の取り引き先の重役が、

キャバクラに行って見たいって

言ったのよ、仕方なく連れて

行ったらしいの‼」


陽和は黙ってŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”

「ほらっ‼0:00頃電話あったじゃん。

帰れ無さそうだから部長悪いけど

来てくれないか、って」


「ああ‼あの日な‼

俺もママだけじゃ心配だから

ついてった日だろ?」


「うん、うん、無理やり連れて帰った あの日の取り引き先の重役もぐでん ぐでん でホテル迄連れていった

し、」


「あの外国人から謝罪の電話があって手土産を沢山買って帰って貰ったし結果オーライだったよ。」


陽和は黙ってŧ‹”ŧ‹”・・・モグモグ・・・ŧ

「かっわいそー、

で‼

バレてフラれたの‼ハハハハマヌケ〜」

陽菜が豪快に大笑い。

バシッイテッ

陽菜は陽和を眺め

「何でおねーちゃんが怒る?」


「サッサと食え、冷めちゃう。」


「エッ‼グッグッいってるじゃあ〜ん。」

と鍋を指さした。


「まったくー、7人の敵ってほんと

ね。」

恋子はしみじみと言う。


「7人の敵 ?何それ」

陽菜が食い下がるように聞いてきた。


「昔の人が言ったのよ。

誰が言い出したかは、知らないけ

ど、 男は外に出ると7人の敵がいる

ってね、どんなに慕われ、

うやまれて いる 人でも少なくても

七人敵がいる

って事‼

今は女性にも言えるわね。」


「そうそう、分かる俺なんか何人居

るかわかんないぞ‼`,、'`,、ハァーハッハッハッハハ ッハッハッ」


「副社長に私が彼女さんに

説明するっていった ら同じ会社の、しかも部長の話は信じて貰えないってね、」


「彼女堅いねー

お姉ちゃんみたいじゃない?」


「陽菜❗💢」バシッ、イテイテイテテ


「ごめんって‼」


「ママはどう思うの、パパが接待でキ ャバクラ行ったら平気なの?」


陽和は、ブスッとしながら母親の恋子見ながらきいた。


「うん、パパを信頼してるからね、

上役は接待も仕事、

円滑に取り引きも進むし

仲良くもなれるし、

ママだってオカマクラ ブとか

ホストクラブとか使うよ。」


一同

( )


煮えたオデンも一瞬で冷める。

「ええっそんなビックリ?する?

今は女性も平等、明治時代の様に

三尺下がって師の影踏まずは、ふる

﹏www

あんた達ふる〜〃」

恋子は大笑した。


「そ、そうなのか?」

ゴクッ


「言わないが良かったんじゃない〜

パパ凹んでるよ。」


「大丈夫、大丈夫、遅くなる日は

パパが迎えに来るように

昼休み電話してるし

ママみたいなヤンキー好きって言う

物好きパパぐらいだ、か、らーねー〃」


「そだな!ママ切れるとヤバイし

怖いしな!😣」


「いゃだー、空手有段者のパパが言

う?

パパね、昔女の子から迫られ迫られ

生きて来たのよ。

でも、このみてくれから空手やって

ると は、みえないでしょ、ママは、

パパが、一 番よ。さ、食べて食べて

今 日は頑張ろ。」


パパのお皿に牛スジや、大根を入れてビールをボコボコボコと、コップに継ぎ足す。




「チイッ、娘の前でデレデレかよ。

何頑張んだよ。」

陽菜は「ご馳走様」と自分の使ったお茶碗を洗い自室へと帰っていった。


しかし母には頭が上がらず

母親の言いなりの父が有段者なんて

初めて聞いた。

そんなパパは、ちょっとカッコイイかも・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る