第26話 愛を育てる。慶一道➕鷹斗編
先生と女将さんの話は、
全部スピーカーで聞こえていた。
陽和も何故か嬉しそうだ。
一瞬水を打ったような不気味な
静けさが広がった。
慶一道は窮地に、追い込まれていた。陽和が返事したら終わりだ、
ガバッ、ドン‼
「げ・・・・・・マジ、↗」
そこに居た全員がドン引きした。
「ヒョリーああああおねがいだー‼
君の理想の男になる。
約束する。
付き合おう。頼む‼」
俺は土下座した。
陽和を手に入れる為なら
何回でも土下座する。
止める方法はこれしか無い。
必死、必死
慶一道は陽和の為ならプライドも、
なにもあったもんじゃない。
必死以上、必死になり、陽和を
止めるためなら
何でも頑張れる気がした。
ザワザワ、ザワザワ、客の人集りが
出来る。
当人の陽和は、イヤーな顔して
「ベロチュー見た後だしなーぁ
私アンナのできねーし、
大人の付き合いできねーし
つまんないよー!
辞めておけ!辞めておけ。」
慶一道は
「このまま別れるのは悔いが残
る、半年、いや3ヶ月でいい。
お試しでいい、俺、頑張るから
付き合おう、付き合ってくれ。」
「いやいやいや、誤解される発言
やめようよ。
別れるも何も
付き合ってねーしっ‼」
陽和は嫌だと返事した。
しかし慶一道は、粘った、引かなかった。
「3ヶ月でも良いから・・・」
食い下がって頼み込んだ。
「いやいやいや、ベロチューの彼女
は、あの子どーすんの?
あんなことまでして責任とんなさい
よ男らしく。」
「あの子は彼氏います。
副社長さんに乗り換えるつもりだっ
たかもわかりませんけど、彼氏はい
ます。」
女子大生がチクッて来た。
「私ここ来るのいやだったんですけど
人数合わせに無理やりつれてこられて、一人浮いていて、私苦手で・・・。」
一同が女子大生に振り向いた。
なる程、服装を見れば違いがある
見るからに男を誘うボディチラチラの彼女達と、白い肌に上品な
ワンピースの彼女、種類が違うのは納得、
蒼太の母親、レディ、ガ〇が
「もう12時よ、シンデレラは帰る時間よ
帰りなさい。」
と女子大生達を帰した。
貴方は送ります。あの子達と一緒だと、変な男に引っかかりそうだからと、清楚な彼女にそう言いながら、蒼太の悪友達をチラとみた。
もう一方では、
「すまん佳代、
もう二度とこんな事しない別れるなんて
脅しだよな、な‼」
「いやいやいや、この間、
カードの履歴調べたんだワ、
ラブホ随分使ってるよね。
離婚一択しかないでしょ。
この後に及んで何言ってんだか、
離婚嫌なら初めから浮気すんなよ。」
「佳代がいたから、遊んだんだ。
佳代が居なくて寂しくてつい、」
「違うでしょ、遊びたいのよ、
違う女と、でしょ
あんたはね結婚しちゃダメなのよ
一人幸せに出来ないのに、何人も幸せに出来るとおもうの?
皆幸せにしたいなら結婚しちゃだめよ。
一夫一婦制なのよ、知らないのー」
「ゴメンゴメン佳代、」
「とにかく別居は決定‼
顔見たくないからバイバイ。」
《佳代﹏﹏》»»»»
てな事がこの時間同時進行していた。
そんなこんなで、慶一道は陽和のお試し彼氏になった。
陽和が折れたのだ!
「どーせ出来っ子無いヨ」
軽いノリで受けたお試し3ヶ月!!
慶一道の、粘り勝ち、しかし上手く
行かなかった場合は、一切の関わりを断つ条件つき。
だから、慶一道のタワマンで、テイタイムの出来るご身分と言う理由だ。
陽和がお昼にチヂミを作っている時
慶一道はパソコンを開いて、仕事をする。
副社長は仕事して居ないと随分失礼な事を
思っていたんだと反省する。
昼食は海鮮チヂミと、おにぎり
あとは、ポテトサラダに、ワカメスープ
男の人の豪快な食べっぷりに目を丸くする
パパも食べるけど豪快さが、ちがう。若い男性は食いっぷりが逞しい。
「どしたの!?」
じ━━━━っと、陽和は慶一道を眺めていたらしい。
陽和は
「随分美味しそうにたべるな・・・って
思って、感心してたんだよ。」
「あ、美味いからさ。」
褒められて嬉しくない理由が無く
ニッコリ、可愛らしい顔をほころばせた。
「ねえ、慶一道まだ飽きない?
私とŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"、いてもさー
つまんなくな い ? ŧ‹”ŧ‹”」
「新鮮だよ。ŧ ‹”ŧ ‹”色々、例えば
朝早くから公園でラジオ体操なんて
随分前の話だしさゴクン
又行くようになって、楽しいよ。
それに
帰りにカフェで朝ごはんなんて、
あそこのコーヒうめーのな。」
「慶一道不健康な、生活してたもん
ね。
彩乃さんも彩沙さんも、凄く美味し
く珈琲入れ てくれるもん。
朝からお客さん多いし、味につられ ち ゃうんだろうね。 」
「そうそう。
又行きたくなるよな。」
「パンもジャムもお店で作るんだ
よ。
ほら慶一道が合コンできた時のケー
キ あれは、全部私が焼いたんだー」
「ウワッ、マジ‼
あのアップルパイ最高だったな、
甘いの苦手だけど程よい甘さで
美味かったよ。」
「そう、じゃあ焼いてあげるよ。」
「ウオーシャア、じゃあ、オーブン、店で使える奴と同じ奴に変えとくよ!」
「あれで、じゅうぶんだよ。
使いやすいし。ꉂꉂフフフ」
陽和が笑うと俺もうれしい。
ぷっくらした頬が、又かわいい。
昼2時、夕飯の買い物に出た
何もしない、
隣に寝るだけの約束で、
陽和も時々お泊まりに来るようになった。
前進に次ぐ前進。
これが愛を育ててるって言うんだと感じた。
買い物の帰り道、勇気を出して陽和の腕にクイクイしてみた。
「エッ‼」と俺を見上げて来たがニツ
コリしながら腕を絡ませて来た。
「い・・・いの?」
つい聞いてみる。
俺の事、バイ菌みたいに
思ってると思ってたし、
大丈夫になってくれたのかな?
淡い期待をいだいてしまう、
「うん。」
俺は嬉しくて俺の顔が ⸝⸝⸝ポッ⸝⸝⸝ ♡︎♡︎と軽い音をたてて赤くなった。
「〃嬉しいなぁ〃」
心が弾むって何年ぶり?
陽和の手をギュッてしたら陽和もギュッ・・・て返してくれた。
でれ﹏っとなるのは仕方ない。
ムフフ、ムフフ
嬉しくてスキップしてしまう。
こんな、慶一道を見てた陽和は、
本当に愛されているのかもしれない、
と思う反面、(>ω<乂)イヤイヤイヤ
まだ分かんないどー
今までが今まで、女たらし時代が
そう簡単に終わろうはずも無い‼
気を許して泣くのは、辛い。
陽和は自分が好きになった相手には
トコトン尽くす癖がある。
裏切られるのは自分も悪いと
思っている。
尽くし過ぎて、重たガられ嫌がれ
破局‼
勝って兜の緒を締めよ、
確り観察しながら決めようと
気を引き締めていた。
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