第25話 プリンセスKの修羅場、慶一道編

慶一道はやっと、陽和を見つけ陽和に近ずいて来た。


「なんで武蔵野先生と居るんだ?」


先生はニッコリと笑い

「僕の秘書だからね。」

陽和はプイッ( `ᾥ´ )👅べー


「武蔵野病院に務めてたのか?

カフェをいくら探し回っても居ない

はずだ な。」



「探した?なんで?」


「君に一目惚れしたから・・・

会いたくてたまらなかったから。」


ぷッ、「今どき?ナイナイ。

それより、さっきの彼女は?

ベロチューのさっキ

の?・・・」

「 ああ‼ あれは遊び、遊び。

さっき会ったばかりし!」


「えーえ、今日あったの?

さっき?

で、ベロチューーできんの?

:;:ヒェーたまげたな‼ 不潔」



慶一道はジタバタしながら自分がいかに節操の無い男かを陽和に宣言されているような、肩身の狭い思いをしていた。


「つい、その場の雰囲気とかー

うっかりーとか、有るんだよ。

男だしっ‼」


「ふーん。その前も違う女とラブホい たよ ね、 あれもうっかり?」


「あれ・・・は、ウッカリと言うか

流れ的にって言うか、つい、みたい

な な‼酔ってたし、眠かったし、

ホ、ホテルで寝ようねってなって•・•」


慶一道の悪友達はニヤニヤしながら

二人の話を聞いていた。


「へ、へぇ〜そうなんだァー。」


ププ━━ッッ!!!

ぶふふ・∵ブハッ!


悪友達は吹き出し、笑いをこらえている。

コイツら全員、別世界の住人か?

いや、エロ世界の住人か‼

此処でケジメ付けないと、粘られるし誤解される。


「あの〜実はですね〜

貴方とは無理なんです。

次元が違うというか、価値観の違い?

と言うか・・・。」


そんな陽和の、強気の発言をフッと

鼻で笑い慶一道は余裕こいて最後の

切り札をだした。


これでヨロめかない女の子は居ない。

いや、ルックスで殆ど落ちるが陽和は手強い。


「これ、俺の名刺、直の番号‼

いっでも、電話してよ。」


手渡された、名刺を見ると

「オーキッド?

あのオーキッドの↗ふ、副社長↗」

又悪友共はニヤニヤ、

慶一道も悪友達も陽和がコレで

落ちたと思っていた。


陽和の驚きは女子大生と同じ

テンションだった。


此処で慶一道は陽和との道が開けたと大きな思い違いをした。


「俺、と付き合おう、

陽和の為ならなんでもするよ。

キミにつくすから・・・。」


ボーゼンとする陽和の頭の中は

〃こいつか?オーキッドの副社長

ママをこき使うダメダメ副社長

節操の無い合コン野郎的な驚き。〃

Wーー誤解すな‼

陽和は名刺を握りワナワナ。


付き合おう・・・アンタと?私が?

寝言か?

ジョーダンか?


「ん、ンンンっ、

名刺お返しします。」

悪友達はザワザワ、


「貰っても意味ないですもん。」


「なんで?」


「なんで?って、嫌いですもん。

無理っす。どんなに偉くても、誰か

れ構わずやれるのにもビックリ、

私、今会ったひとと、あんなに接

近できませんもの。


私にも夢があるし、

ってかぁー副社長って、なにすん

の?

部下が良いから成り立つんじや

ないですっ かぁー。

部長さんとか?

部長さんとかぁー‼

プイッ


女なめんなー金や金品で動く時代かー お前、お代官様かープイッ‼



陽和は俺がガー꒪д꒪ーン嫌い‼

名刺見ると次の約束を皆したがる

というのに?

陽和はキライ➕嫌味


クククククククク

「天下のオーキッドの名刺が泣くぞ‼

副社長殿‼」


武蔵野先生と妻の美代は、余りの

予想付かない陽和の言動に

笑いをこらえきれなくなった。

ボーゼンと立ち尽くす、慶一道は余りのショックに何も出来ないでいた。


「はいっ、名刺、返すポイッ」

右、手のひらにポンと置かれた名刺が

初めてタダの紙に見えていた。


「随分骨のある子ね。

さすが恋子の娘、気が強いとこ、

そっくり

面白いわ。恋子には黙っていましょ。」


武蔵野先生はニコニコして奥さんと又飲みはじめた。



夏の暑い太陽が、なりを沈める9月の

終わり一斉に黄色い、オレンジの

金木犀の花の甘い香りが匂い華やぐ頃、

温度は夏と変わらぬ30度、


「あつつっいワー、ねえもうすぐ10月 なの に ねー。」


陽和は冷蔵庫から抹茶アイスモナカをガサゴソと取り出し

「慶一道も食べる?」

「ゴメン食べれない、甘いのは、チョ

ット・・・苦手‼」


モナカの挟んだ隙間から

モタ〜っとタレる抹茶バニラを赤い舌が

ペロリン。

可愛らしい口の隙間から綺麗な前歯が2本むき出しになる。


慶一道はそれを見てゴクリ。

テーブルには硝子の大きめのコップにグアラングアラングアラン

と大きめの氷が擦り合う。

並々と注がれた茶褐色のお茶を

ゴクゴクゴク

と陽和の口の中のアイスの甘さを

消して行く。


カラコロコロ空になったコップの氷をガリガリガリ陽和の丈夫な歯が噛み砕く。


「もう一杯飲む?」

慶一道は陽和のコップに注ごうとする。


「ううんもう要らない!

ごちそうさま。」



あの日あのBARで

いざこざがあった日

ヴヴヴヴヴヴ、ヴヴヴ

武蔵野先生に1本の電話がなった。

先生は本当を言うと、和食亭の

女将さんにいい子を息子に紹介して

くれと頼まれていたらしい。


息子さんは、IT業の社長さんで、

中々出会いが無く30にもなるのに

女っ気が無いので

心配していたらしく

武蔵野先生にいい人を連れて来て

欲しいと頼んでいたんだとか。

偶然息子さんがその日店にいて

陽和を見つけてお付き合いしたいと

言ったそうだ。



そのお願いの電話だった。



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