第19話 穂花の事情

不倫相手の親が示談にして欲しいと頭を下げて来た。


隆一は許せるはずも無く当然無視、

しかし年老いた夫婦が土下座するのを見るのは心が傷んだ。


「歳いっての子供で、甘やかしすぎま した。

この子とは絶縁します。

どうか、これが最後の親としての

償 いで す。」

と言われ茶封筒に入る金額を

渡してきた。


納得出来る金額では無かったが、

年老いた両親に免じて兄も、

渋々了承した。

金額が目的では無かった。


瑛介は離婚を切り出すとゴネたが

相変わらず浮気相手と繋がりがある事を、理由に離婚が成立した。


よっぽど、相性がいいんだろう。

最近浮気相手からラインがくる。

面白い内容なので

そのままにしておいた。


瑛介がお茶が不味いって言うの

何のお茶飲ませてたの‼

静岡産の、大学の友達の家

のお茶ですよ。

まあ、蜜足デパートのグラム

1.000円のお茶なら飲むんじゃ



ちょっと、アンタのオムライスが

食べたいっていうのよ。



サラダの野菜が不味いっていうのよ、

「作れる野菜は、家庭菜園、 残りの

野菜は実家‼」


漬物何処で買ってたの

自分で漬けてますけど、


ちょっと、無理よ‼うちに来てご飯

作りなさいよ。

あんな瑛介うるさく無かったのに

コンビニ弁当、食べなくなったわよ。

アンタのせいなんだから

ご飯お願いね。


なんで?お前らの飯を作るんだ‼

余りのウザさにブロック

「お前ら一年、もたないに一票」

と最後のラインに入れておいた。


こうして穂花は無事独身に戻った。



ジングルベルが街中に流れる12月

病院も何かと慌ただしい。

陽和は救急外来から

脳神経外科に移動になった。


武蔵野先生の秘書の方が、

旦那さんが単身赴任になった為

結局付いて行く事にしたらしく

その穴埋めに陽和が、抜擢された。


普段中のいい高校の先輩、佳代さんの推薦だと思う。

しかし脳神経外科の先生は、

武蔵野蒼太の父親、武蔵野航大先生

つまりこの病院の理事長


遠回しに話を聞くと先生と蒼太は病院内では余り接点が無いらしい。

その事を聞いてホッとする。




武蔵野先生はロマンスグレーの

優しそうな先生、

普通の品のいいオジサンにみえる。


蒼太のようにチャラくなく、

頼りがいがあっって

信頼度が高い、いい先生だ。

チャラい蒼太に自分が秘書だと

バレたら慶一道に話が行きそうな気がする。

変装用のグルグルメガネを

ポケットにいれて、蒼太にバレ無い

ように穂花同様伊達メガネを掛けて仕事をするようになった。






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