第17話 筋肉彼氏のブライダル

瑛介は、外資系企業に務める

ハイスペック男子、

たまたま病院に腱鞘炎でやって来て

穂花に案内して貰ったのが

きっかけだった。


可成の優良物件のモテ男、

穂花もアタックに次ぐアタック‼

遂に彼の口から

「穂花だけ、愛してると言わせた〜

っ˘ ³˘♡♡♡」

と陽和に飛び付いて報告した。


最後は瑛介の方が惚れまくり、

押せ押せモードでゴールIN・・・

したと言うのに。


そして11月10日

「瑛介、行ってくるねー!」

瑛介が先月誕生日プレゼントで

買ってくれた金のネックレスと

真珠のイヤリングを付けた穂花は、

姿見で最終チェックをしていた。


「スゲーかわゆい。

式場に直でいくの?似合ってる

よ。」


「有難う嬉しい。

うん友達と駅で待ち合わせて

新幹線降りたらタクシーで

式場までい くよ。」



瑛介は後ろから穂花を

ギュュューッと

抱きしめセットした髪に

キスしまくる。

「ん﹏`^´もう、乱れるぅ‼」


「行かせたくないんだな、コレが‼」

瑛介はギュッとしながら首元で呟いた。


「じゃあ瑛介もイコ、

友達にも自慢の旦那さん紹介した

い。」

振り向きざまに穂花が本気でさそう。


「冗談冗談、楽しんでおいでよ。」


瑛介の包容力溢れる笑顔に騙され

長いキスと長いハグをした。


コレが愛情のこもった最後のハグと

キスになる事を魂が

分かっていたように

長く繰り返し繰り返し抱き合った。


優しい男は他の女にも、優しい事を

穂花は、知らなかった。


瑛介の浮気なんて、

全然考えていなかった。

瑛介の事を疑う余地も無く

信じきっていたから・・・・・・。





駅で陽和と待ち合わせ。

陽和はピンクのハーフドレスに

薄手のコートを羽織り

遠くからでもふんわりカールの

髪の陽和は、モデルなみによく

目立つていた。

穂花はすぐ陽和を見付けた。


一方陽和は、

駅に早くついたせいか穂花の姿を

駅入口で、キョロキョロ探していた。


タクシーが、目の前で止まり

「あーヤバイ、ヤバイ、

髪がきまんないよ。

介出る時、べったりハグるから

ねー、可笑しくない。」


タクシーのドアが閉まるや否や

穂花の惚気愚痴が飛び出る。

ワインカラーのワンピースに

結い上げた髪が可愛らしい。


「大丈夫、瑛介さん、

ちゃんとわかってハ グしてるよ。

キチンとセットは壊れてない

し、」


「そう、ホント。」

穂花はホッとした、顔をみせた。



結婚式を挙げる絵梨花は、穂花と、

陽和とは、大学のサークル仲間。

穂花とは同じ高校出身で、中がいい。

そして私たちは、同じ病院で働く

秘書仲間!。

あと2人の秘書仲間加奈と真希を待つ。


穂花は陽和と真希と加奈に

二次会までいって陽和の家で、

打ち上げしょうと誘っていたが、

久々の帰省の穂花に


「高校の同級生で盛り上がりなよ。」

と遠慮していた。


久しぶりに絵梨花にも穂花にも

気を使わせず

思い切りはっちゃけて

ほしかったからだ。

「うちに泊まればいいのに。」

と穂花は言ってくれるけど、


「私達も楽しんで帰るから

穂花も恵梨香も楽しんで」

と返した。

真希も加奈も同じ意見だった。


それからたわいの無い話をして、

駅に着くと、タクシーに乗り込み

結婚式が執り行われるホテルへと

向かった。


HOTELに着くと真っ先に

花嫁控え室へと足を進める。

でかい胡蝶蘭が入口で迎えてくれた。

私達に気づいたプランナーさんが

控え室迄誘導してくれて、

純白のレース、ドレスに身を包んだ

絵梨花とご対面。


陽和憧れのマリアベールを絵梨花は、頭からまとい、本当に花のようだった。


綺麗よ、絵梨花


それはお世辞でも無く本当に心から

出た言葉だった。

レース仕立てのウエディングドレスは、オネーサン系の美人な絵梨花にはウットリする程似合っている。


どこかの高級デパートの玩具売り場の奥にドンと飾られている

フランス人形のようだ。


ふと人の気配に振り返る。


だれ? だれ?


突然ノッコりと現れた男性に

陽和?、穂花?真希?、加奈?は、?、?、?、?。

プックラまあるい体型、見るからに

クマのぬいぐるみ風な男性。

グレーの花婿衣装、

胸にはエリカ、メランセラの花が

胸元を飾っている。


絵梨花のブーケもエリカ、メランセラ



・・・・・・と言うことは?当然‼


プハツ

∵´ε`ブハッ!!

うそっ

マジ

どんなイケメンが登場するのか

想像を膨らませていた私達は、

余りのギャップに、失礼ながら

吹き出してしまった。


そんな私達に、怒りも、嘆きもしない彼は、


デデーンと構え頭を掻きながら

大笑いをしていた。

驚いた私達も、大笑いをした。


プンプン怒り出したのは絵梨花で

「私の旦那様よっ‼ 失礼ねっ‼」

と怒り心頭‼


絵梨花の旦那さまは、

「絵梨花、いいんだよ。落ち着け‼

君が主役なんだし、

俺を愛してくれているし、俺は幸せ。

君が俺の元に来てくれただけで

幸せすぎる。」



絵梨花は、パアアァァッと顔を綻ばせ

熊さんの蝶ネクタイを直しながら

「ゆがんでいたよ。

今日の匠カッコイイよ。

いっも、いい男だよ。

⸝⸝⸝ポッ⸝⸝⸝ ♡︎ス キ」


なる程クマさんの彼が

カッコよく見えて来るのはナゼ?


「絵梨花、この旦那さんなら幸せにな れる よ。」


陽和が呟くと穂花も真希も加奈も

何故か涙を流し良かったね、

良かったねと呟いた。


絵梨花に対する旦那さんの

愛が溢れて

止まらない気がした。

超美人の絵梨花が彼を選んだ理由が


よく分かる。感動した。


式場のテーブルにはエリカの花が

飾られていた。

旦那様の絵梨花に対する愛情が分かる。

花嫁を幸せ色に染め上げた彼は、

イケメンでも無いけど

絵梨花が凄くうらやましい。


おおらかで優しくて

包容力にあふれている、

何より頼りがいのある旦那さんで

安心した。


ラクビーをやっているらしく

丸いけど筋肉すごくて、

彼の腕にぶら下がり、

はしゃぐ絵梨花は楽しそう。

カメラマンがすかさずカシャカシャカシャ


旦那さんもヒートアップしたみたいエリカをグルグルグルグル

キャーキャーキャーキャー

叫ぶエリカの楽しそうな事。

私達もぶり回して欲しかったけど

絵梨花の旦那様なので遠慮した。


内心〃いいなぁ*´✪Δ✪`*楽しそう。〃

皆んなそう思っていた。


皆で写真を撮りブハブハの絵梨花の

写真を室長に送信。

早めに来たのに時間は

アッとゆう間にすぎた。


プランナーさんが


「そろそろ、お時━━カ━━ん?

で‼すすすすすーツ」

花嫁さんを見て、(꒪.̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨.̸̸̨̨꒪ )




ビックリ‼オバケ屋敷から

聞こえて来るような甲高い

悲鳴を上げ、青くなり慌てて、

引っこけながら部屋をとびだした

それはもう、ハヤテの如く‼。


それからすぐ

絵梨花と同じブハブハ状態の美容師

さんが三人飛び込んできた。


おそらく全力疾走してきたのだろう


ハアハアハアハア

山姥のような乱れた姿の美容師さん。

呼吸を整えるのも勿体ないらしく

ゼーゼゼZeーハアハアハア ンハッハツハ


一言も誰も喋らない。

聞こえるのは肺呼吸の音だけ。


プランナーさんも飛び散った

ブーケを拾い集めながらゼーゼゼ

ウッ、ウハァハァハァ今度は

花屋さんに走って行った。


美容師さんを呼び、1から着付け直しをして貰っていた事は、初めてらしい。


旦那さんはペコペコ、ペコペコと

申し訳なさそうに頭をさげていた。


愛想笑いの美容師さんの顔がかなり

引きっつていた。


私達も止めなかった事を反省した。

側にいてバツが悪かった。

(あんた達も止めなさいよ

時間無いのよ、分かってんの💥)

と言いたそうな顔をしていた。


気を取り直し式が始まる。

あの騒ぎは、どこへやら。


又美しくなった絵梨花は

美しくなったブーケと共に現れた。


旦那さんはうっすらと涙ぐんでいた。


HOTEL内の教会で賛美歌の流れる中

2人は元気に、婚姻届にサインをした。


〃あーやっぱりあこがれるな。〃


盛大に執り行われた披露宴は、

旦那さんの人柄を表すように

沢山の人が集まり、楽しくて、

お祭り騒ぎだった。


疲れたけど楽しかった。

旦那さんの勧めもあったけど私達は

絵梨花と穂花を置いて帰る事にした。









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