第16話 瑛介と穂花
「ゴメン、急に飲み会入った。
なるべく早く帰るけど、寝てていいよ。」
「え、今日瑛介(えいすけ)の好きなキムチ鍋なんだよー!」
「おおおー‼キムチ漬ったの〜。
穂花のキムチ、美味いもんな、じゃ
あ お願いします、明日、明日迄待つて くれない? 本気で食べたい。」
「うふふ
分かった、今日はパスタでもたべ
る。」
「まじ、ゴメンな‼
明日は必ず早く帰る、穂花のキムチ
鍋が待ってると思うと元気出るし。」
「うん。分かった、遅いなら
寝とく!」
そう、瑛介がキムチに目がない事を知り、知り合いの日韓カップルの
ママが来日した時
無理を言って、漬け方を習った。
そのママは厳しかったけど韓国の
キムチの美味しさを教えてくれた。
何回もチャレンジして、
去年からやっとママの味に近づいた。
でもまだOKは出ていない
でも充分美味しいと友人は言う。
その頃の穂花はガリガリじゃない、
程よく痩せて可愛らしい。
料理が上手で明るくて愛され系、
そんな穂花の旦那さんは
目が覚めるようなイケメン
そう、穂花は生まれながらの
イケメン好き。
穂花の旦那さんは背が高ーくて、
カッコイイ、やさしくて、
思いやりがあって
愛し上手。
付き合い出すと、彼に尽して尽して
胃袋ひっつかみ、遂にゴールIN
しかし一年二年
色男に付き物の災難、
色男を旦那に持つ嫁の災難
穂花は、浮気されてしまった。
その始まりは皮肉にも・・・
しかし後で知ったが浮気は
一年まえから、始まっていた。
その発覚は意外な所から
漏れてしまった。
「瑛介、エリカの結婚決まって
招待状来てたんだけどー
行くって返信だしてたんだ。
地元でやるんだって、彼も同じ
地元なんだってー。」
「あ、結婚式にきた、美人?
穂花の友達美人だらけだか
らさ・・・
正直ワカンネーワ」
「ねえ、一緒にいかない?
兄貴が是非連れて来いって、一緒に
飲もうだって。」
「行っても良いけどいつ?」
瑛介は切れ長の目をカレンダーに向け
「いつ?」
と又きいた。
「11月10日だよ。」
カレンダーを見ながら悩む穂花の
頬っぺをムニムニしながら、
「最近疲れてさ、休みたいんだ‼
義兄さんには、悪いけど来月じゃだ
めか な?来月なら繁忙期も過ぎて、休め るし 義兄さんともゆっくり呑みたいし。」
「そだね、急に思いだした私も悪いしまだ10日先だし、確かに最近おそいよね。
分かった、言っとくね。」
「来月なら余裕余裕。」
瑛介は穂花を見ながら呟いた。
「ああ‼ そうだ、穂花、
久しぶりに帰るなら有給とれば、
二、三日ゆっくりしといでよ。
子供出来たら
そうゆっくり出来ないし
今のうちだぞ!」
思わぬ瑛介の提案に迷いながらも、
揺れてしまう。
「うーんでも、」
「俺?、飯くらい大丈夫だよ。
何とでもなるし、穂花の飯、
美味いけ ど 二、三日くらい我慢するさ、ガキじゃないんだしハハハハハ」
ちょっと考え込んだ穂花は、
「いいの?」
「うん。義父さん、義母さんにも
あまえてこい‼飲みすぎはダメだぞ、
後で義兄さんに電話しとくよ。
穂花迎えに行ってくださいってね。
浮気されないように防衛線はっとか
ない と。」
「え、‼大丈夫だよ。
瑛介以外愛せない!」
穂花は上機嫌になって、
「美味しいの作るね。」
そう言って昼食の準備に、キッチンに向かう携帯をポチポチ打ちながら瑛介もニコニコ顔になる、別の意味で。
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