第15話 穂花、ドンマイ2
イケメン好きな穂花、
確かに好きなものは止められない。
しかし穂花はイケメン好きなのに
イケメンを、警戒している。
だから用もないグルグル伊達メガネを愛用している。
自分への戒めのために。
「あ﹏wキタキタキタ節操の
無いイケメン」
穂花の囁くような声に顔をあげる。
向こうから武蔵野病院跡取りの
武蔵野蒼太が何人かの、
同僚を従えて歩いて来る。
紺のスーツに
キャラメルブラウンの髪を
ツンツンたてて、
今日はどこぞにお出かけ か?
武蔵野蒼太はかなりの
モテぶりだが、
病院内のスタッフには
手を出さないで有名。
仕事も真面目で手厳しい。
外科の腕も
かなり良く評判で、
彼を目当ての患者さんも多い。
しかし、イケメンは、イケメン‼
白衣を脱ぎ捨て、
病院を一歩出ると本来のチャラい男になる。
陽和の脳裏にカフェの
ジャンケンポンポンポンポン
がよみがえる。
美人狙いのジャンケンポンポン‼
ケッと笑いが込み上げてくる。
子供かよ。
真面目な病院内の武蔵野先生は、
病院内の現場の話で秘書の陽和や、
穂花には別の話だ。
あのジャンケンを
ここのスタッフにも
見せてあげたい、
と軽蔑の眼差しを送る。
武蔵野蒼太は、
数多い従業員の中の一人の陽和や、
穂花を知る由もない、
しかも今は制服を脱ぎ捨てた
普通のスーツ姿の陽和と穂花。
一般患者の一人と
間違われても仕方がない。
蒼太はコンビニに寄りコーヒを
買った。湯気の上がる珈琲を抱え、
ドカドカと何人かで陽和と穂花の
方へと歩いて来た。
席に着くと、
可愛い童顔な顔を綻ばせ、
隣の席から声をかける。
「あれっ、君はラスベリーカフェの、慶一道 の知り合いでしょ。」
「えっと、どちら様で?」
ドッと笑いがおきる。
「俺?ここの外科医、どっか悪いの、風邪?」
「いゃだァ武蔵野先生、
陽和は、
ボカ ッ」
イテツДイタイ!!!;
「えっと、人違いと思います。」
冷たい声で言う。
「人違い?慶一道があんなに
デレてたのに?
慶一道のあんなん見たの初めてだからよーく覚えてるよフフフ」
穂花は陽和に蹴り入れられた足を
なでなでしながら、
「陽和はカフェには務めていません
よ。 だって陽和は、この病院の、
ボカッ ボカ ッ」
;'.、グハッ;Д;イタタタ
「何かの間違いですぅ﹏。」
イタタタ‼陽和ーイタイ。
「イヤイヤイヤ、それは無いだろ!
慶一道の奴最後まで粘ってたし、
なんなら、慶一道やめて、俺にしな
い?
君の事、可愛いなって
思ってたんだ よ。
だけど慶一道がさ・・・、
だから皆で、君に手出すの遠慮して
たんだ 。ね、
僕にしない?」
傍にいた先生達は慣れっこなのか
ニヤニヤしていた。
「いえ、彼には彼女いますし、
ラブホ街を連れ立って歩いてますか
ら私の事は、関係ありません 。」
「ほ〜ら、バレたよ。
ヤッパリカフェの彼女だ?」
あっ"
しまったって顔をした陽和を
見た蒼太は又ニヤニヤ
イケメンの癖に迫る迫力は半端ない、クルリとした目に、長い睫毛
ニッコリ微笑む口びるは、トロントロンになりそうになる。
女の子がメロンメロンになるのは
成程ウンウンと納得したが、
あえてチャラ男には厳しく言う。
こいつらには厳しく言う人が居ないからだ。
「軽いw、誰にでもそうなんだ。
あなた方にとって、
デートしない? お茶飲もう、
食事いこ。
映画行こ、は、おはよう
こんにちはー
こんばんはー
さよならー
と、同じ、挨拶
あ、い、さ、つ ですよね。」
そうだそうだ‼
穂花も援護射撃してくる。
「私達、それくらい知ってます﹏w
悪しからず、あなた達に飛びつく女ばかりじゃありませんよ。」
「オッ‼」
彼はお高い時計を見ると
「時間だ急ごう。」
残ったコーヒをガブ飲みすると、
「またカフェ行くから。」
そう言い残して、軽く手を振り去って行った。
後ろ姿を見送りながら穂花は
「ちっくしょうううう。
カッコイイねー!
あんな、男が、嫌いなの‼」
穂花は、元旦那を思い出したのか、
ジュースに付いてるストローをくい契り
ペッペッ
ペッペッ
フウーツ「穂花、ドンマイ!」
陽和は優しく穂花の頭をなでながら
「ヨシヨシ‼」
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