第2話 悪友と悪遊
夕方には病院を出た。
迎えに来ると言う部長に、
断りを入れタクシーに乗り
一人住まいのマンションへと帰った。
夕方部長が駆けつけ、
部長の娘が作ったと言う
チーズリゾットと、チキンスープ、
ポテトサラダが用意されていた。
部長は、娘は料理が凄く上手い
と言っていたが、成程プロ級の腕だ。
ペロリと食べてしまった。
「ご馳走様。」
部長が何か言いたそうだったから
“説教“だ‼ と構えていたが、彼女は
そそくさと帰って行った。
部長は40過ぎの綺麗な人だが
姉のように厳しい。
たまに社長である父に頼まれ
合コンを設定してくれるが、
俺が副社長であり
オーキッド化粧品の跡取りと
言うのは無し、
平社員の設定で他所の会社の集まりに、入れ込まれる。
つまり合コン男子とも
初めまして、だ。
どんな化粧品を使ってるか、
どんなのが好きか、調査も兼ねて
生の声を聞いて来い、的な合コン‼
もうそれも興味が無くなった。
そんなんどーでも良い‼️
彼女の存在を知った日
その日からモヤモヤした気持ちで
過した、彼女への気持ちは日に日に
募って行った。
まるで中坊のような懐かしい
胸騒ぎ❤心ときめく予感久し振りの
┣¨キ┣¨キ
おめ目もとろ〜んとニヤけてくる。
金曜日の夕方、ドヤドヤと悪友2人がやって会社にやって来たが毎度の事
「ヨウッ慶一道、元気か?」
バンッと開けられた副社長室
「おい、まだ仕事中‼」
秘書の目を気にして2人にシッシッと
右手をフル。
シッシッ
武蔵野 蒼太
(むさしの そうた27歳)
富山 鷹斗
(とやま、たかと27歳)
蒼太は武蔵野病院の跡取り
鷹斗は全国に広がる不動産の跡取り
そう俺達は幼稚舎から大学まで
の腐れ縁、剣道仲間でモテ仲間
ついでに遊び仲間。
悪友締めて10人、全員御曹司。
鷹斗はつい最近二つ年上の彼女と
結婚を決めた。
ゴール、インの1番手‼
蒼太はマッシュウルフの
柔らかい髪を
キャラメルブラウンに染め、
童顔系のモテ顔‼
一方鷹斗は
キリリと
日本男児丸出しの醤油系、
イケメンで金持ち、
背が高い、とくりゃ大抵の
女子はメロンメロン。
俺達はモテるのをいい事に大人の
遊びに没頭していた。
独身バンザイ的な、今遊ばなくて
いつ遊ぶのが合言葉!
アッチコッチで遊びほうけた。
モテ男の特権。
秘書が「では今日はこれで・・・。」
と資料を、片付けはじめた。
「あ、まて、社長には・・・な
分かるよね。当然部長には、
ポリポリなおさら
・・・な‼ な‼」
悪友が遊びの誘いに来た事を
口止めする。
真面目君、丸出しの第一秘書は
「はい。分かりました。ピッ」
きちんと正確に45度背を曲げ、
号令がかかった様に、
ピッピッピピッピッピ
みたく出ていった。
パタンと閉まったドア音を合図に
はっちゃける。
「お前この間の子、どした?
メチャ可愛いかったじゃん。
本命になるんじゃないか!とかさ
皆で話したんだけど
どーーなん?ん?ん?」
「あーナイナイあんな薄情な女
お断り‼
あんなんいたら張り倒すレベル
俺が具合わるくなったらサー
〃キャーきたな〜い‼
よらないでぇ〜〃
なんて言ってサ
サッサと見捨てて帰ったんだぞ‼
入院したんだぞ、
1日だけど な‼」
「えー、お前にグイグイ行っ
てたのに な‼
だっからかぁ〜
あの子、お前がオーキッドの副社長
って、言ったらサ、
連絡先教えろって
やたら電話来てさ、
今日お前、連れていく段取り
なんだよ。」
「コロしても良いなら
行くよ(✧"✧)。八つ裂きって
手もあるよな‼」
「マジか・・・。」
「二度とあんな女の話するな‼
訴えるからな‼💥💢💥」
「わ、わぁかぁったよ。」
しどろもどろで二人は納得した。
「あ‼ しかしな!
あの女のお陰でいい子に
会えた、 感謝してるとダケ、
伝えとけ‼」
慶一道は〃一刀断ち〃の構えをして
«ぐっさー»«ぐっさー»
とエア切りを2人にかます。
グワワワワー。
「じゃ飯いこ。」
慶一道はパタッと態度を変え2人を飯に誘った。
「待て待て女の子待ってるし……。」
慶一道は蒼太の首と鷹斗の首を両手で挟み
そぉんなのぉ〜ハイハイ
「キャンセル キャンセル、
キャンセルキャンセル」
と手拍子良く頭を叩いた。
イテ、イテ
やめろイテーよ。
2人はグァン、グァン頭を回され
ながら副社長室を賑やかに出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます