「春休み」

「あ、言い忘れたんですが。学園が春休みの間は私、家に帰れないので。明日から来ないでください」

「なっ! 明日!? 唐突すぎるであろう! ……家に帰れぬほどこき使われるのか?」

「いえ、はっちゃけちゃうものが多くて」

「……ひとか?」

「大根とか農区から脱走して海区でビーチバレーしてたりするんですよ」


 そう言って私がため息を一つつくと、それは案外響いた。

 どうしたのかと彼女を見れば、なぜか口を押さえて身を引いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る