「春の雲」

 今日は縁側に干した布団の上でお昼寝をしていた。午前中から寝入っていて、ふんわり柔らかそうな雲を最後に記憶がない。

 きっとそれが寝入りだったんだろうと思いながら、身体をごろりと動かすと。


「ん……」


 彼女が隣で寝てた。

 思いがけないことに一瞬固まった私だったが。


「ふふっ」


 寝ている時でも不愉快そうに寄せられた眉根が愛おしくて。

 ちゅっ、と音を立ててそこにちゅーすると。甘やかな気持ちでまた眠りにつくことができた。

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