「一番可愛い」

 デパートに行った時の事。


「あ、アロマペンダントですって。可愛い」

「あろま? ぺんだんと?」

「香水をつけた布を入れて香りを楽しむものですね。うー、可愛いなぁ。買おうかな……でもお夕飯の予算」

「家畜」

「何です……か?」


 後ろを振り返ったら頬を膨らませている彼女がいた。はて、何か。見つめあって数秒、先に潤んだ目を逸らした彼女に察した。


「もちろん一番可愛いのはあなたです」

「そうであろう!」


 彼女の笑顔が咲いた。

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