「生まれ」

「『風光る』春風がきらきらと光り輝くように感じられることを言う。……日本は雅ですねぇ。外国では風に光なんて感じませんよ」

「なんだ貴様。外つ国に行ったことがあるのか?」

「あれ、言ってませんでしたっけ? 私外国生まれです」

「なんと!?」


 心底驚いた顔で、彼女は口を開けた。その口に熱いお茶を入れようとすれば頭を叩かれた。ひどい。


「日本に馴染みきってますからね、私」

「……妾の国に馴染むならよし」


 彼女は言った。

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