「オレンジデー」

「あの」

「ん? どうした家畜」

「これ、あげます」

「……貴様の育てている薔薇の枯れたものではないか。まさか妾に捨てておけと?」


 ぎろりと赤い目で睨まれて、あわててつけ加える。


「元オレンジ色の薔薇なんです。わざと色抜きました。貰ってくれませんか? 今日、オレンジデーなんです」

「おれんじでぇ?」

「その、好きな人にオレンジ色を贈る日で、一本の理由と白くトゲなしな枯れてる意味は自分で調べてください!」


 私は逃げた。

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