「鐘霞む」
なんとなく居間でちゃぶ台に頬をつけぼんやりしてると。ごーん、ごーんとはっきりしない春の長閑さに音を霞ませてしまったような鐘の音でふと、我に返る。
外を見れば夕方で、どうやら長いうたたねをしていたらしいと知った。
「鐘霞むって感じでしたねぇ。ふぁふぅ」
大きくあくびを一つついてから、今日の夕飯の献立を考え出した。オニオンスープ、ナポリタン、サラダとお好みでフランスパンかな。もう手抜きする気満々の私だった。
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