「炬燵仕舞い」

「我儘言ってないで離してください」

「嫌だ! 離すのは貴様の方ぞ家畜!」

「炬燵仕舞えないでしょう」


 そう、さっきから彼女が握って離さないのは炬燵布団だ。炬燵を仕舞おうとする私を最初は何をしているのかと不思議そうに見ていたが、意図を察するやこれだ。

 どれだけ炬燵好きなのか。最初は見向きもしなかったくせに。


「あ、ズィーク」

「何だと?」


 ズィークに釣られたところで素早く炬燵布団を取って逃げる。家畜!! と叫ばれた。

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