「花筏」

 庭を特にあてもなくふらふら歩いていると。湧水である池の水面に桜の花びらが浮かんでいた。上に咲く桜から降ってきたものだろう。

 これ後でさらわなきゃななどと考えていると。

 それがゆっくり動き出した。ここの水は近くの小川に流れるようにしているから。


花筏はないかだよな」

「わ! 驚かさないで下さいよ」

「ふん。風流なものを見ているかと思えばその反応か」

「びっくりしたんです」


 私と彼女の時もこんな風に流れていけばいいのになぁ。

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