「蓬」

よもぎを持ってきたぞ家畜よ。何か作れ!」

「飛び入り参加はご遠慮願います」

「この妾が言っておる、早よせんか!」

「ダメだ聞いてない」


 片手に蓬の束を掴んでいる彼女には申し訳ないが。


「じゃあお夕飯で。食べていって下さい」

「む。八ツには使わんのか」

「……おやつは蓬の草餅と新茶です」

「!」


 目をまん丸に開いた彼女は。


「以心伝心というやつか」


 と蓬を台所のテーブルの上において、手を洗いにご機嫌できびすを返したのであった。

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