「抱き枕」

「あ、見て下さい。あの抱き枕可愛いですよ!」


 彼女と雑貨屋に来た。物珍しそうにしげしげと色んなものを見ている彼女に、胴体の長い兎の抱き枕を示せば首を傾げた。


「随分と胴の長い兎よな」

「寝る時にぎゅってするんです」

「寝る時に?」


 眉をしかめた彼女が問答無用で私の手を掴み、雑貨屋を出た。


「ちょ」

「あんなものより妾の方がぬくいぞ、家畜」

「は?」

ねやに連れて行くなら妾にせよと言っておる!」


 彼女の耳は真っ赤だった。

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