「春」

 春は出会いと別れの季節であり、何故か私の仕事が増える季節でもある。

 上司の好物から恋人の嗜好まで、よくやるものだ。が、ふと嗜好つまり好みと言われ。彼女の好みはどういう人なのか気になってきた。

 やっぱり親友似の人なのかと内心思いつつ聞いてみると。


「妾の目に映っておるのが、妾の好みの体現よな」


 と言って去っていった。春は神様も忙しいらしい。

 でもどうしたことか、わからない。彼女の目の前にいたのは私だけなのに。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る