第27話 その二十七

 一人は嫌だった。

 誰かのぬくもりが欲しかった。

 一人は寂しかった。

 誰かの声が聞きたかった。

 なんであんな所にいたんだろうか。

 誰があんな所に閉じ込めたんだろうか。

 誰が……














 総一の幼い頃を知っているという、反乱軍大将藤(とう)堂(どう)重(しげ)典(のり)という男に出会う。

 この男はジンが起こした謀反が起こる前は城に仕えていたものであった。

 藤堂重典は、この時を待っていましたと言い、勇んで仲間たちに声をかけにいったのである。

 総一が生きていたことを知って泣く者や喜ぶ者が大勢いた。

総一がジンを倒しに行くと聞いて皆もその氣になった。

 今までじっと耐えてきたがやっとやり返すときが来たと。

 味方五千、敵方十万。

 城攻めに十倍の戦力がいると言われている。

 通常であればあまりにも無謀である。

しかし総一は行く氣だ。

 いざとなったら逃げてくれ、生きてることが大事だと総一は言った。


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