第24話 その二十四

 その時、影が現れた。

 男たちは消えていた。

 じろ吉は呆(ぼう)然(ぜん)としている。



















 

 半年ほどしてじろ吉は病に倒れた。

 綾子の頬にふれながら、

「お前に出会えて楽しかっただ。短い間だったが幸せだった。たいしたことは教えられんかったが強く生きるんだぞ」

 動かなくなった老人を見ながら寂しくて泣いた。

 死体をどうすればいいかわからない。

 放置。

 腐敗がすごくなってきて、とてもじゃないが居られない。

 綾子はじろ吉の家を出ることにした。


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