第12話 その十二
ジークは倒れたときに激しく顎を打ったらしく、氣絶していた。
自分だけで追いかけるしかない。
家の中から光景を見ていたエヴァにのびた男の処理を任せてマリアは総一を追いかける。
また、総一の追っ手が私たちの住んでいる場所を突き止めてやってきてしまった。
前はお父さんがどうにかしてくれて、その後に引っ越しをしてやり過ごしたけど、まだ付け狙っているんだわ。
今日はお父さんはいない。
私がどうにかするしかない。
私の奴隷を……じゃなかった。
大切な人を。
助けてみせる。
総一を抱えた男が視界に見えているのに全然差が縮まらなかった。
ああ!もう邪魔だ!
スカートを両手でたくし上げて足を速めた。
崖の手前で男が止まった。
「待ちなさい、総一をどうするつもりなの」
男はマリアをひと睨みしてから、
「こうするのさ、ままよ!」
総一とともに崖を飛び降りた。
やめて!
なんて……ことを……
助けないと。
下を覗きこむ、川が流れている。二人は潰れているように見えた。
どうやって降りようか思案しているとジークが白馬に乗ってやってきた。長いロープを持っていたのでそれを使うことにした。
なんと都合の良い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます