第10話 その十

 ベッドで寝ていた。

 目を開けると、椅子の背もたれに腕を乗せて座っている総一と目と目が合った。

灯りは窓から差し込む月明かりだけ。

「なに?」

「寝顔みてた」

幸せそうな笑顔。

 とりあえずまた目を閉じる。

 もう慣れてしまったが、総一はたまに私の部屋に来て私の顔を眺める。

 まあいいけど。

「ねえ、ちょっとだしてみて」

 マリアはボタンを外して胸元を開けた。剣の柄が出てくる。

部屋がぽうっと淡い光に満ちる。

スルリと総一の指先が柄を撫でる。

「ん」

ギシと音がした。

 目を閉じていた私は総一が身を乗り出したのを感じた。

 総一が柄を口に含む。

 なぜだかわからないけど心地が良くなる。

 上から下へ舐められた。

声が漏れる。

「もう終わり」

 総一の頭を押しのける。

 上掛けをひっかぶって寝ることにした。

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